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開花制御の鍵遺伝子FLCに生じた自然エピジェネティック変異の特定とその作用機作解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K19294
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0602:生産環境農学およびその関連分野
研究機関京都大学

研究代表者

木下 有羽  京都大学, 農学研究科, 助教 (20983191)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードエピジェネティクス / エピアレル / 開花 / FLC / キャベツ
研究開始時の研究の概要

キャベツ‘不抽苔’は、偶発的な開花復帰性をもつ非開花性の自然突然変異体である。‘不抽苔’の開花特性には、タンデム重複した2つのFLOWERING LOCUS C (FLC) 遺伝子BoFLC1aおよびBoFLC1bが関与すること、またBoFLC1a, bはエピアレル化していることが示唆されている。本研究では‘不抽苔’および野生型‘T15’のエピジェネティック解析 (DNAメチル化解析・ヒストン修飾解析) を行うことにより、‘不抽苔’に生じたエピジェネティック変異を特定するとともに、それがどのようにBoFLC1a, bの発現パターンを変化させているのかを、クロマチンレベルで解明することを目指す。

研究実績の概要

キャベツ‘不抽苔’は、偶発的な開花復帰性をもつ非開花性の自然突然変異体である。‘不抽苔’の非開花性には、タンデム重複したFLOWERING LOCUS C (FLC) 遺伝子のホモログBoFLC1の高発現が関与すること、またBoFLC1はエピアレル化していることが示唆されている。本研究では‘不抽苔’および野生型‘T15’のエピジェネティック解析 (DNAメチル化解析・ヒストン修飾解析) を行うことにより、‘不抽苔’に生じたエピジェネティック変異を特定することを目的とした。
‘T15’および‘不抽苔’の全ゲノムIlluminaショートリードおよびBoFLC1が座乗するQTL領域をターゲットとしてシーケンスしたnanoporeロングリードを組み合わせて、de novoアセンブル配列を構築した。その結果、両者の間で構造変異や大きなIndelはないことが示唆された。nanoporeロングリードからメチル化シトシンを識別可能な“DeepSignal-plant”ソフトウェアを利用して、DNAメチル化解析を行った。その結果、‘T15’/‘不抽苔’間でDNAメチル化レベルが異なる領域 (DMR) が複数検出され、これらは‘不抽苔’に生じたエピジェネティック変異の候補領域であると考えられた。さらに、DNAメチル化に関して多角的に情報を得るため、‘T15’および‘不抽苔’を供試してsmall RNA-seqおよび全ゲノムBisulfite-seqを実施した。また、FLCの発現低下と関連が深いヒストンH3リジン27トリメチル化(H3K27me3)を解析するため、CUT&Tag解析系の構築に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

‘T15’/‘不抽苔’間でDNAメチル化レベルが異なる領域 (DMR)、すなわち‘不抽苔’において生じたエピジェネティック変異の候補領域を特定することができた。また、H3K27me3を解析に向けてCUT&Tag法に必要な機器・試薬を揃え、解析系の構築に着手することができた。以上より、エピジェネティック変異の特定に向けた知見を一定量蓄積できたと考えており、予定通りの進捗状況であるという自己評価とする。

今後の研究の推進方策

取得したsmall RNA-seqおよび全ゲノムBisulfite-seqのデータ解析を行い、‘T15’/‘不抽苔’間でDNAメチル化レベルが異なる領域 (DMR)について、多角的に検証を行う。同時に、BoFLC1発現量に段階的に差がある‘不抽苔’の自殖後代等を供試して、BoFLC1発現量および開花特性に相関があるDMRの特定を目指す。また、引き続きCUT&Tag法の解析系構築に取り組み、‘T15’および‘不抽苔’のBoFLC1におけるH3K27me3蓄積パターンを調査することを目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)

  • [学会発表] 非開花性キャベツ変異体‘不抽苔’において偶発的に復帰する開花能力は準安定的遺伝性および可逆性を示す2024

    • 著者名/発表者名
      木下有羽・元木 航・細川宗孝
    • 学会等名
      園芸学会 令和6年度春季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] BoFLC1 homologs are candidate causal genes of the non-flowering cabbage mutant ‘nfc’2023

    • 著者名/発表者名
      Yu Kinoshita, Ko Motoki, Munetaka Hosokawa
    • 学会等名
      The 4rd Asian Horticultural Congress
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Changes in the spatiotemporal expression patterns of the tandem duplicated FLC homologs associated with the non-flowering trait in Brassica oleracea2023

    • 著者名/発表者名
      Yu Kinoshita, Ko Motoki, Munetaka Hosokawa
    • 学会等名
      The 16th International Rapeseed Congress
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Genetic and transcriptomic analyses identify the tandem duplicated FLC genes as the candidate causal gene responsible for the non-flowering trait of the cabbage mutant2023

    • 著者名/発表者名
      Yu Kinoshita, Ko Motoki, Munetaka Hosokawa
    • 学会等名
      2023 KU-NTU Joint Symposium on Horticultural Science
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 非開花性キャベツ変異体における開花制御機構の解析2023

    • 著者名/発表者名
      木下有羽
    • 学会等名
      第2回アブラナ科ゲノム育種研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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