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セル補強された土のせん断力学挙動の解明と省力的液状化緩和工法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K19317
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0604:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
研究機関神戸大学

研究代表者

園田 悠介  神戸大学, 農学研究科, 助教 (40982723)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード液状化 / ジオセル / 模型実験 / せん断 / 地震 / せん断変形 / 省力化
研究開始時の研究の概要

地震時の液状化は,地震動による地盤のせん断変形に起因して発生する.本研究は,省力的に地震時の地盤変形を抑制する方法を提案し,その効果を検証するものである.具体的には,「ジオセル」と呼ばれるセル(格子)構造体の内部に土を充填することで,地盤抵抗力が増大し,液状化が緩和(地盤強度が残存)することを期待している.
模型実験を通して,セル構造体で補強された土の変形抑制効果と地盤の液状化緩和効果を定量的に評価する.これにより,大規模工事が困難な農村地域でも活用できる超省力的な液状化対策の確立を目指す.

研究実績の概要

本研究は,地震時の液状化現象が地盤の急激なせん断変形によって発生するメカニズムに着目し,「ジオセル」と呼ばれるセル(格子)構造体の内部に土を充填することで,地震時の地盤変形を抑制し,液状化を緩和させることを期待している.そのため,模型実験を通して,セル補強された土のせん断変形抑制と液状化緩和効果を明らかにすることを目的としている.
本年度は,砂地盤にジオセルを設置した場合の基本的な効果を検証するため,振動台実験を実施した.実験では,幅1500mm,高さ800mm,奥行450mmの鋼製土槽内(前面のみアクリル)に,6-7混合珪砂を使用して相対密度40%の砂地盤を作製し,飽和させた後,正弦波で400, 600, 800galまで段階加振する方法で実施した.初年度は,ジオセルの設置方法や基本的な効果を確認するため,ジオセルを設置したケースと,全く設置しないケース(砂地盤のみ)を比較した.ジオセル設置は,相似則ならびに管路の浮上防止対策として実施された既往研究の結果を考慮し,土槽の中央に,幅610mm,高さ100mmを3層重ねて設置した.実験土槽前面からの観察および,地表面のレーザー変位計による計測結果から,ジオセルを設置した地盤では,設置していない地盤よりも実験後の地表面の沈下量が小さく,ジオセルによる効果が示唆された.一方で,ジオセル内部や周辺に設置した小型センサにおいて,その効果を明確に捉えるには至っておらず,最適なジオセル設置形状の検証と併せて,次年度に引き続き振動台装置を用いた実験を行う計画である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は,振動台装置を利用した実験環境が整っていたため,静的に地盤をせん断変形させる実験ではなく,土槽内に飽和砂地盤を作製し,実際の地震動に近い動的な加振を与える振動台実験を実施することができた.その結果,地盤内にジオセルを設置することによる影響を検証できた.ジオセル内部や周辺に設置した小型センサにおいてその効果を明確に捉えるには至らなかったが,最適なジオセル設置形状の検証と併せて,次年度にさらなる実験を行う計画であり,本研究全体の進捗としては概ね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

今年度は,振動実験装置を用いて土槽内の砂地盤を加振する振動実験を実施する予定である.前年度は,基本的な効果を検証するにとどまったが,本年度は,砂地盤内に設置するジオセルの形状や展開方向などの条件を変更し,最適なジオセルの形状,段数を検討する.また,振動実験では,ジオセル内部や周辺の加速度センサや水圧計等を設置し,ジオセルによる液状化緩和効果を定量的に捉えることを目指す.
また,上記振動実験は,実施可能ケースが限られることから,小型の積層体土槽を用いた実験を実施する.小型実験では,乾燥砂を用いることから液状化自体を模擬することはできないが,地盤に強制的にせん断変形を与えることで,ジオセルの設置形態による地盤のせん断変形抑制効果について各種条件による影響を評価する.ジオセルの形状,層数,ジオセル内部の地盤材料を変化させて行い,振動装置を用いた振動実験と併せて,液状化に対して最も効果を発揮するセルの構造や配置,そのメカニズムの解明を目指す.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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