研究課題/領域番号 |
23K19331
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤井 祐至 長崎大学, 高度感染症研究センター, 助教 (70977751)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アプタマー / ダニ媒介性脳炎ウイルス / SELEX / ウイルス様粒子 / ウイルス / 金ナノ粒子 / 造影CT / 3Dイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
生体内におけるウイルス動態の3Dイメージングは、ウイルス感染個体における病態経過の基本的理解に有用であるものの、現状、有効な解析手法は確立されていない。そこで、本研究では、ウイルスに特異的に結合するアプタマー(合成核酸)を修飾した金ナノ粒子をCTスキャンの造影剤として用いることによって、ウイルス感染個体内においてウイルスの存在する臓器等を非侵襲的かつ継時的に3Dイメージングできる新規技法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
生体内におけるウイルス動態の3Dイメージングは、ウイルス性感染症の診断や病態経過の把握に有用であるものの、現状、有効な解析手法は確立されていない。そこで、本研究では、ウイルスに特異的に結合するアプタマー(合成核酸)を修飾した金ナノ粒子をCTスキャンの造影剤として用いることによって、ウイルス感染個体内においてウイルスの存在する臓器等を非侵襲的かつ継時的に3Dイメージングできる新規技法の確立を目指す。 本年度は、ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)をモデルとした検証により、ウイルス蛋白質に特異的結合能を有するアプタマーの検索手法(SELEX法)の確立に取り組んだ。ランダム配列を持つssDNAライブラリを作製し、それらの中から、TBEVの粒子外殻を構成する蛋白質に結合性を有するアプタマー配列を同定した。標識配列を付加したTBEV E蛋白質を標的としてアプタマーの検索を実施したところ、複数のアプタマー配列が決定された。 決定したアプタマー配列の5'末端に蛍光色素を修飾し、それらの修飾アプタマーを用いることによって、ウイルス粒子に対するアプタマーの結合性の評価系の構築に取り組んだ。すでに報告されているTBEV E蛋白質に結合性を有するアプタマーとの比較解析により、今回新たに同定されたアプタマーのうちの一部は、既報のものよりもTBEVウイルス様粒子に対して高い特異的結合性を示すことが明らかになった。 以上より、ウイルス特異的なアプタマーを検索可能なSELEX法の確立およびそれらアプタマーの性状評価系の構築に至った。今回同定されたアプタマーは、従来のものよりもTBEVの構造蛋白質に高い結合性を有しており、現在、これらを用いた3Dイメージングの予備的検証を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、ウイルス蛋白質に特異的結合能を有するアプタマー検索手法を確立し、決定されたアプタマーの詳細な性状解析を実施することができたため、概ね順調に研究が進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度では、TBEVを標的としたアプタマーの配列を決定することができた。これらの新規アプタマーに金ナノ粒子を結合させることによって、アプタマー修飾金ナノ粒子を作製する。作製したアプタマー修飾金ナノ粒子をTBEV感染細胞や動物に接種した後にCT撮影画像を得ることによって、ウイルス感染動態の3Dイメージングの実装に取り組む。 また、令和5年度に確立したSELEX法を応用することによって、TBEV以外のウイルスを対象としたアプタマー配列を検索し、それらの中からより結合能の高いものを選抜する。他のウイルスについても、上記のTBEVと同様に3Dイメージング系の構築に取り組む。 これらにより、各種ウイルス感染個体内におけるウイルス局在を非侵襲的かつ継時的手法によって明らかにする。
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