研究課題/領域番号 |
23K19346
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
苗加 彰 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任助教 (50982518)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | クラミドモナス / クライオ電子線トモグラフィー / 繊毛 / 繊毛・鞭毛 / 構造生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物は祖先種の単細胞生物がもつ繊毛数で分類できる。祖先種が1本の繊毛をもつ単細胞生物の場合はユニコンタ、2本の線毛をもつ場合はバイコンタに属する。バイコンタは植物や原生生物など多様な生物を内包している。バイコンタ生物は細胞あたり2本の繊毛をもつものが多く、その繊毛間には構造的・機能的な違いがあることが知られている。緑藻クラミドモナスの場合、2本の繊毛の形態はほぼ同じであるが、機能が異なる。本研究課題では、2本の繊毛間の違いを生み出す分子メカニズムの解明を目指し、1本の繊毛しか運動できないクラミドモナス変異株の繊毛の構造解析と質量分析を行い、違いを生み出しているタンパク質を同定する。
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研究実績の概要 |
真核生物は、ユニコンタとバイコンタに分類できる。コンタは繊毛を指し、ユニコンタは繊毛を1本、バイコンタは2本の繊毛をもつ単細胞生物をそれぞれ祖先とする生物種である。バイコンタに属する生物の多くは細胞あたり2本の繊毛をもち、その繊毛間には機能的・構造的な違いがあることが多いが、繊毛間の違いがどのようにして生み出されるかは不明である。本研究は、緑藻クラミドモナスを用いてこの分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。 所属研究室において、2本の繊毛のうち1本しか運動できない変異株の作出に成功した。この株は2本の繊毛間の構造の違いが顕著なはずであり、繊毛間の違いを生み出す分子メカニズムも比較的容易に解明できる可能性が高い。 本年度は、変異株の運動性の詳細な解析と構造解析を行った。クラミドモナスの2本の繊毛は眼点に近いものがシス繊毛、遠いものがトランス繊毛と区別される。予備的な観察から、変異株はシス繊毛のみが運動を停止していると考えられていたが、実際は、2本とも停止している細胞や2本とも運動している細胞も存在しているという複雑な表現型を示した。単離した繊毛をクライオ電子線トモグラフィー法により解析し、得られた3次元構造をクラス分類したところ、2本の繊毛間にはっきりと違いみられた構造は確認できなかった。現在、解析を容易にするため、掛け合わせによりトランス繊毛のみをもつ変異株、シス繊毛のみをもつ変異株を作出中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全ての細胞が特定の繊毛のみが運動できないという単純な表現型ではないために、2本の繊毛間の構造的な違いを同定できていない。
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今後の研究の推進方策 |
2本のうち、シス繊毛しかもたない株とトランス繊毛しかもたない株を掛け合わせにより作出し、繊毛の構造解析を行う。シス繊毛、トランス繊毛をそれぞれ独立に解析できるようになるため、構造の違いを同定できる可能性が高い。さらに、最近、当研究室で特定の1本の繊毛のみ速く打つ別の変異株が単離できた。運動性解析の結果、この株は、常に決まった繊毛のみが速く打つことがわかったため、繊毛間の違いを比較的容易に同定できるはずである。こちらの株についても解析を進めていく。
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