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新規分化誘導系による篩要素の選択的自己分解機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K19366
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
研究機関名古屋大学

研究代表者

杉山 友希  名古屋大学, 高等研究院(理), 特任助教 (60844769)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードシロイヌナズナ / 篩要素 / オルガネラ / ライブイメージング
研究開始時の研究の概要

篩管の構成単位である篩要素は、光合成産物等の輸送に適した構造と成るために細胞質やオルガネラ、細胞壁の一部までを失う。しかし、この劇的な変化の分子機構はほとんど明らかになっていない。その主な原因は、篩要素は細胞サイズが小さくかつ組織の深くに位置するために、明瞭なライブイメージングが困難なことにある。私は、VISUALと呼ばれる手法を独自に改良し、シロイヌナズナの胚軸に大きくて観察しやすい篩要素を形成させることに成功した。本研究では、この独自の分化誘導系の使用を本格化させ、篩要素における細胞質・オルガネラ分解の分子基盤を解明する。

研究実績の概要

篩管の構成単位である篩要素は、光合成産物の輸送能を獲得するために核やゴルジ装置などを選択的に失う。その分子機構はほとんど未知であるが、篩要素分化に必須の転写因子APLの欠損株においてオートファゴソームの形成に必須なATG8Aの発現量が低下していることなど、幾つかの証拠がオートファジーの関与を示唆している。
Single cell root atlasのデータによると、シロイヌナズナに9つあるATG8サブファミリーはいずれも分化後期の篩要素において発現している。それらの可視化ラインを入手し、篩要素における発現と局在を調べたところ、ATG8A, ATG8C, ATG8G, ATG8Iが特によくオートファジーとの関連を想起させる粒状の構造として観察されることが分かった。上記の顕著な発現変動も踏まえて、サブファミリーの中でもATG8Aを中心として解析を進めることにした。篩要素分化において消失することが知られるゴルジ装置とATG8Aの二重可視化ラインを作出し、根の篩要素における局在を観察したが、篩要素の細胞サイズの小ささゆえに明瞭なライブイメージングが困難であり、ゴルジ装置の消失とオートファジーの関連性をはっきりと見出すことはできなかった。細胞内構造の詳細な観察には大きくて観察しやすい篩要素を作らせることのできる分化誘導系が適していることから、当初の予定通り、世代を進めて安定したラインを確立した後に分化誘導系を用いて再解析することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

篩要素分化におけるオルガネラとオートファジー因子の動態を分化誘導系と組み合わせて詳細に観察する用意が整ったため。また、下記の生化学的な解析に向けたマテリアルの用意も進んだため。

今後の研究の推進方策

篩要素における選択的オートファジーのターゲット同定を目指して、ATG8をベイトとした共免疫沈降実験およびMS解析を行う。また、オートファジーの欠損による篩要素の分化や輸送能への影響を調べるためにオートファジー欠損株(atg2, atg5)を用いた蛍光色素の輸送アッセイなどを行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Exploring autolytic mechanisms of sieve elements with an improved phloem induction system2024

    • 著者名/発表者名
      Yuki Sugiyama, Yoshihisa Oda
    • 学会等名
      日本植物生理学会第65回年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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