研究課題/領域番号 |
23K19371
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
豊倉 浩一 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 助教 (60722999)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 植物発生 / 細胞分裂方向制御 / SPK1 / 植物形態形成 / 細胞分裂 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の 3 次元的な器官の形は、細胞の配置パターンにより大きく決まっている。植物細胞の配置は、細胞分裂の方向により決定されることから、個々の細胞の分裂方向の決定の仕組みを知る必要がある。 SPK1 とその標的分子 ROP による細胞分裂方向を制御のしくみを、組織特異性や細胞壁に注目しつつ、定量数理モデルを用いた力学的性質の予測と組み合わせることで、これまで知られてこなかった 3 次元的な植物器官形成における細胞分裂方向制御のメカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
植物の器官形態は、細胞がどのように配置しているかによって決まっている。植物細胞は細胞壁をもち、自由に動くことができないため、細胞分裂の方向によって細胞配置が決定される。三次元的な植物器官における細胞分裂方向の仕組みについてはほとんどわかっていない。本研究では、細胞分裂の方向によってシロイヌナズナの根端の発生モデルとして、3次元的な細胞分裂方向の制御メカニズムの解析を行っている。これまで、細胞分裂方向制御の鍵因子として低分子Gタンパク質ROPの活性化因子であるSPK1を同定していた。本課題では、SPK1の働く組織・細胞、および、SPK1の下流で働く因子の解析を通して、植物がどのように細胞分裂方向を制御しているかを明らかにすることを目指す。 本年度は、SPK1が働く細胞種を同定し、SPK1による分裂方向制御の分子機構を解析する基礎を築いた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、シロイヌナズナの根端の発生モデルとして、3次元的な細胞分裂方向の制御メカニズムの解析を行っている。これまで、細胞分裂方向制御の鍵因子として低分子Gタンパク質ROPの活性化因子であるSPK1を同定した。 本年度は、蛍光タンパク質との融合遺伝子を用いてSPK1が機能する組織・細胞を解析し、根端においては細胞種ごとに強弱はあるもののほとんどすべての細胞で発現していることを確認した。SPK1が発現する細胞のうちどの細胞での発現が細胞分裂方向制御に関わるかを調べるために、組織・細胞特異的なプロモーターを用いて機能解析をするための系統の確立を進めており、細胞非自律的なSPK1の機能の重要性が見えてきている。 これらの結果の一部は国際学会で発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
SPK1の機能に必要十分な組織・細胞種をより詳細に解析する。細胞非自律的なSPK1の機能の重要性が示唆されたため、細胞非自律的に細胞分裂方向を制御する分子メカニズムについて、細胞壁制御などを中心として解析を行う。さらにこれらの分子生物学的解析に加えて、数理モデルを組み合わせて、植物がどのように細胞分裂方向を制御しているかを明らかにしていく。
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