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真骨魚類胸ビレ骨格における腹部型-側方型転換の発生分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K19384
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0703:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
研究機関京都大学

研究代表者

田中 祥貴  京都大学, 農学研究科, 特定研究員 (10981491)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード胸ビレ / 真骨魚類 / 棘鰭類 / 中烏口骨 / 形態進化 / 脊椎動物 / ミナミメダカ / ゼブラフィッシュ
研究開始時の研究の概要

脊椎動物全体の3分の1を占める大グループである真骨魚類の中には、2つの異なる胸ビレ形態が存在する。1つ目は胸ビレが腹部に近い位置に生え、背腹軸に沿った運動を得意とする腹部型、そしてもう1つは胸ビレが体幹部側方に密着する形で生え、頭尾軸に沿った運動を得意とする側方型であり、この胸ビレの形態差は水中での運動制御機能に差をもたらすことが知られている。本計画はこの胸ビレ形態の多様性を生み出していると考えられる中烏骨の発生過程、およびその発生過程における Shh 遺伝子をはじめとする発生制御遺伝子の働きを明らかにし、真骨魚類の胸ビレ形態進化を引き起こしたとされる発生制御機構を解明する。

研究実績の概要

(1)メダカでのヒレ骨格の経時的な観察手法の確立:ミナミメダカの発生過程における胸ビレ骨格の変化を観察するために、CRISPRノックイン法を用いて軟骨特異的な発現を示すcol2a1遺伝子下流に蛍光タンパクレポーターを挿入し、胸ビレ骨格の変化を経時的に観察できる系統を作製した。この系統により、変異体の胸ビレにおける表現型を評価しやすくなった他、他のノックイン系統と掛け合わせることで胸ビレ骨格のどの位置においてレポーターが発現しているのかの観察が容易となった。
(2)胸ビレの背腹軸性に関する遺伝子発現の可視化:中烏口骨が真骨魚類胸ビレ骨格の背側領域に形成される点に着目し、脊椎動物の四肢において知られている背腹軸性制御遺伝子のいくつかをCRISPRノックイン法で可視化した。この可視化により、胸ビレの形成位置決定に関係する可能性のある発現パターンを発見することができた。
(3)中烏口骨形成、および胸ビレ形成位置の決定に関わる遺伝子のノックアウト作製:ミナミメダカにおいて、当初計画していたhhipの変異体を作製した他、(2)で見つけた遺伝子の変異体作製を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度はメダカでのヒレ骨格の経時的な観察手法の確立に成功した。これにより、変異体作製時の表現型の評価が格段に容易となった。一方で、中烏口骨形成、および胸ビレ形成位置の決定に関わる遺伝子のノックアウト作製であるが、当初注目していた遺伝子群では、胸ビレの形成位置に対する特筆すべき表現型を見出すことができなかった。しかし、当初は着目していなかった胸ビレの背腹軸性制御を調べたことで、背腹軸境界に胸ビレが形成されている可能性が明らかになった。

今後の研究の推進方策

(1)今年度作成した背腹軸制御遺伝子ノックアウトメダカの骨格観察を行う。この変異体メダカは腹側軸性を失い、背側軸性優位な状況になっていると予想される。この状態での胸ビレ形成位置の腹側化、および中烏口骨形成の有無を観察する。
(2)中烏口骨を持ち、腹側によった胸ビレを持つゼブラフィッシュにおいて背側軸性に関わる遺伝子をノックアウトし、中烏口骨の消失、および胸ビレ形成位置の背側化が生じるかどうかを観察する。
(3)中烏口骨を持つ真骨魚類と持たない真骨魚類の間に見られる遺伝子発現制御配列(エンハンサー)の探索を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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