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胎盤幹細胞由来syncytiotrophoblastを用いた薬物の胎盤通過性評価とメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K19417
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0801:薬学およびその関連分野
研究機関北海道大学

研究代表者

古堅 彩子  北海道大学, 薬学研究院, 助教 (90767261)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード妊娠 / 薬物治療 / 胎盤 / トロホブラスト / トランスポーター / P-gp / BCRP / MRP / Syncytiotrophoblast / ヒト胎盤幹細胞 / 薬物
研究開始時の研究の概要

妊娠時の薬物治療において、薬物の胎盤通過に関する情報は、胎児への影響を考慮する上で重要である。したがって、綿密かつ簡便にヒト胎盤通過性を予測する評価系の構築は意義がある。近年、ヒト胎盤幹細胞(trophoblast stem: TS) の樹立が報告され、胎盤の発生・機能を解析する上で有用なツールとなることが期待されている。本研究は、TSより分化したsyncytiotrophoblast (ST) を使用し、薬物胎盤通過性および移行メカニズムを評価するモデルとして応用することを目指す。本研究の進展は、薬物の胎児移行性の予測ひいては妊娠期における適切な薬物治療の実施に貢献し得る。

研究実績の概要

妊娠時の薬物治療において、薬物の胎盤通過に関する情報は、胎児への影響を考慮する上で重要である。近年、ヒト胎盤幹細胞 (trophoblast stem: TS) の樹立が報告され、胎盤の発生・機能を解析する上で有用なツールとなることが期待されている。しかし、本モデルが、実際の胎盤における薬物輸送機能を反映しているか否か十分な検討は行われていない。本研究は、TSより分化したsyncytiotrophoblast (ST) を使用し、薬物移行性や輸送メカニズムを予測するin vitroモデルとして応用することを目的とした。本年度は、TS由来ST (ST-TS) におけるトランスポーター発現解析ならびに排出トランスポーターの機能解析を行った。
各種マーカー (syncytin-1, syncytin-2, syndecan-1, β-hCG, E-cadherin) の発現変動により、STへの分化を確認した。PCR arrayを用いて、84種類の薬物トランスポーターの発現レベルを解析した。胎盤のモデルとして従来から汎用されるBeWo細胞と比較したところ、多くのトランスポーターについてST-TSにおいて高い発現が確認された。主要な排出トランスポーター (BCRP, P-gp, MRP2) に着目し、更なる検討を行った。その結果、mRNA、タンパク質レベルでST-TSにおいてヒト胎盤組織に近い発現が確認された。また、蛍光基質 (BCRP: Hoechst 33342, P-gp: Rhodamine 123, MRP2: CDFDA) の蓄積評価により、トランスポーターの機能を評価した。基質蓄積量は各阻害剤 (BCRP: Ko143, P-gp: Elacridar, MRP2: MK571) により増加したことから、ST-TSにおける薬物排出トランスポーターの機能的発現が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、「I. TS由来 STにおける薬物トランスポーター発現プロファイルの解析」について検討を進めた。また、蛍光基質を用いた輸送評価により、ST-TSにおいて薬物排出トランスポーターが機能していることを示すことができた。また、実際の薬物を用いた解析にも着手し、次年度の計画に繋げる結果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

前年度は、通常の二次元培養における検討を進めたため、「I. TS由来 STにおける薬物トランスポーター発現プロファイルの解析」の計画について、3次元培養条件におけるデータも取得していく予定である。さらに、研究計画「II. 経細胞輸送評価系の構築と予測性の検証」についても着手する。Transwellを用いた経細胞輸送評価系の妥当性を検証する予定である。予備検討において、上皮電気抵抗 (TEER) 値の上昇が現在の培養条件では、十分ではないことが示唆されたため、insertの素材、細胞接着面のコーティング、培地等の条件を試行する。さらに、実際に臨床において使用される薬に着目し、構築したモデルの予測性を検証する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 定量・毒性解析を基盤とした、妊娠・授乳期の薬物治療における安全性評価2024

    • 著者名/発表者名
      古堅彩子
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒト胎盤幹細胞におけるトランスポーター発現・機能評価2024

    • 著者名/発表者名
      澤田理子, 古堅彩子, 植田彩文, 西村あや子, 馬詰武, 鳴海克哉, 岡本敬介, 小林正紀
    • 学会等名
      日本薬学会北海道支部第151 回例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 周産期における精神神経疾患治療への貢献を目指した医療薬科学研究2023

    • 著者名/発表者名
      古堅彩子
    • 学会等名
      第17回次世代を担う若手のための医療薬科学シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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