研究課題/領域番号 |
23K19425
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 里奈子 名古屋大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60980555)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 統合失調症 / ARHGAP10 / Rho-kinase / 神経スパイン / 認知機能 / Rhoキナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
現在の統合失調症治療薬の効果は限定的であり、全く新しい治療標的の同定が喫緊の課題である。研究代表者らは、統合失調症の発症に強く関与するARHGAP10遺伝子バリアントを模倣した遺伝子改変マウスの解析より、ARHGAP10の下流分子Rhoキナーゼが統合失調症の新規治療標的になる可能性を見出した。そこで本研究では、統合失調症の三大症状の一つである認知機能障害に着目し、病態モデルマウスの統合失調症様症状におけるRhoキナーゼの役割を解明し、そのメカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
ARHGAP10遺伝子バリアントは、統合失調症の発症と強く関連する。患者由来の遺伝子バリアントを模倣したArhgap10遺伝子改変マウスは、野生型マウスに影響を与えない低用量の覚醒剤処置により認知機能障害を呈するが、そのメカニズムは不明である。ARHGAP10は、スパイン形態を制御するRhoキナーゼシグナルを制御することから、本研究では、低用量覚醒剤処置によるスパイン形態の変化の評価を行う。本年度は、その実験系の確立を行った。まず、スパインの可視化のためには、神経細胞へ緑色蛍光タンパクGFPを離散的に発現させる必要がある。脳に注入するGFPを発現するプラスミドを組み込んだアデノ随伴ウイルスベクターの力価を検討することにより、スパインの可視化に成功した。また、共焦点顕微鏡及び超解像顕微鏡によりGFP標識スパインの三次元像を取得し、Imarisによりスパインの長さ及び体積の解析を可能とした。今後は、この実験系を利用してArhgap10遺伝子改変マウス及び野生型マウスにおいて低用量覚醒剤処置後のスパイン形態を評価する予定である。また、生体マウスの脳切片及び初代培養神経細胞において、免疫染色法によるRhoキナーゼの基質であるmyosin phosphatase-targeting subunit 1のリン酸化レベルの可視化に成功した。今後は、スパインでの局在に着目し解析していく予定である。また、本研究のもう一つの目的である、神経活動の解析に使用する錐体神経細胞特異的に遺伝子組み換え酵素Creを発現するEmx1-Creマウスを繁殖させ、Arhgap10遺伝子改変マウスと交配し、Arhgap10;Emx1-Creマウスを作成した。さらに、認知機能を評価する視覚弁別試験での神経活動の評価のために必要な解析プログラムの作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究遂行に必要な実験系の確立及びマウスの作成を完了することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に確立したスパイン解析の実験系を用い、Arhgap10遺伝子改変マウス及び野生型マウスにおいて低用量覚醒剤処置によるスパイン形態を評価する。また、Emx1-Creまたは、Arhgap10;Emx1-Creマウスを用いて、認知機能試験時の神経活動を評価する。
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