研究課題/領域番号 |
23K19426
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山口 智子 京都大学, 薬学研究科, 助教 (60978964)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ABCB1トランスポーター / 多剤排出 / 立体構造解析 / クライオ電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
ABCB1輸送体(P糖タンパク質またはMDR1)は異物を細胞の内から外へ排出し細胞内を“清潔”に保つタンパク質である。ABCB1は分子骨格の異なる多種多様な疎水性薬剤を排出できるが、なぜ非特異的に多様な薬剤を基質として認識し輸送できるのかは分かっていない。内向型(IF)と外向型(OF)立体構造は解明されているが、基質輸送のメカニズムの理解に欠かせないIFからOFの中間状態の立体構造は状態不安定性のため未解明である。本研究ではクライオ電子顕微鏡の単粒子解析を用いてABCB1の(1)基質認識部位の特定と(2)中間状態の立体構造の解明を行うことで多剤排出メカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
癌細胞の多剤耐性に関わるABCB1輸送体(P糖タンパク質またはMDR1)は、異物を細胞外へ排出し細胞内の恒常性を保つタンパク質である。ABCB1は分子骨格の異なる多種多様な疎水性薬剤を排出できることが知られているが、なぜ非特異的に多様な薬剤を基質として認識し輸送できるのかは分かっていない。そこで申請者らはすでにX線結晶構造解析で明らかになっている内向型(IF)と外向型(OF)構造に加え、基質輸送のメカニズムの理解に欠かせない中間状態の立体構造をクライオ電子顕微鏡(cryoEM)の単粒子解析によって明らかにすることを目指している。 当該年度は、CmABCB1の精製の再検討を行い目的タンパク質を最も安定な状態で回収できる条件を確定した。また膜タンパク質であるCmABCB1を精製後も脂質に包埋し自然な状態を維持するため、nanodiscと呼ばれるディスク状の脂質にCmABCB1を埋め込ための条件の最適化を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は、CmABCB1の精製の再検討を行った。以前まで研究室で行われていたCmABCB1の精製方法では、CmABCB1を発現させている酵母の培養条件によっては精製後のタンパク質が非常に不安定になることが精製過程で明らかになった。そのため、目的タンパク質を最も安定な状態で回収できる条件を確定し、これを用いることとした。 CmABCB1は膜タンパク質であるため、精製後も脂質に包埋されていることが望ましい。この状態を模擬するため、nanodiscと呼ばれるディスク状の脂質にCmABCB1を埋め込み、オリジナルな状態を再現した。この状態でのATPase活性を確認し、基質に対する活性を保った状態でCmABCB1を精製できることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は精製したCmABCB1に対して競合阻害剤とAMPPNP(ATPの類似物でCmABCB1に結合するが分解されない)を混合し、この状態をcryoEMで捉えることで中間体構造の解明を目指す。競合阻害剤候補のリストはすでに作成済みで、スクリーニングも開始している。 本年度はcryoEM用の実験設備の充填も行っており、より一層研究が加速することが期待できる。これまではcryoEM撮影の前日の18時までか、当日の朝に精製サンプルを調整しなければならなかったため精製方法の制約があった。しかしcryoEM観察用のグリッドを作成する設備が本年度に当研究室へ導入されたため、観察に最適なタイミングでグリッドを作成できるようになり、より構造解析に適した条件でサンプルが作成できるようになった。
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