• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

空間的メチローム・プロテオーム解析による間質性肺炎合併肺癌の腫瘍微小環境の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K19483
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
研究機関九州大学

研究代表者

橋迫 美貴子  九州大学, 大学病院, 助教 (70774678)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード空間的メチローム・プロテオーム解析 / 間質性肺炎合併肺癌 / 腫瘍微小環境
研究開始時の研究の概要

本研究では、間質性肺炎患者に発生した肺癌を構成する腫瘍細胞、周囲免疫細胞や周囲間質細胞を含む個々の細胞のRNA発現・タンパク発現に加えメチル化状態を単一細胞レベルで取得し、①腫瘍組織内での個々の細胞の形態や腫瘍内における局在と治療抵抗性や易転移性などの悪性形質との関係性、②腫瘍細胞と周囲の免疫細胞等との細胞間で伝達されるコミュニケーションの全貌、③既存の治療薬を使用した際の腫瘍微小環境の変化、を解き明かすことを目的とする。プロテオーム・メチローム比較解析を実施し、真の間質性肺炎合併肺癌の微小環境を理解し、IP急性増悪の発生を抑制しつつ実施可能な肺癌に対する新規治療法の探索を目指す。

研究実績の概要

間質性肺炎(IP)合併肺癌は、肺癌治療時にIP急性増悪のリスクが高いため治療が非常に難しく予後不良である。IP急性増悪は免疫細胞や線維芽細胞の異常活性化が原因であり、予防には、腫瘍微小環境を構成する個々の細胞の状態を理解することが重要である。近年、肺癌治療に腫瘍免疫細胞を標的とした免疫チェックポイント阻害薬が臨床応用された。免疫チェックポイント分子の発現には、メチル化やmiRNAを含むエピゲノムによって制御されることが明らかとなってきた。申請者らは、共同研究において高解像度で個々の細胞のメチロームをFFPE検体から網羅的に評価可能な新規空間的メチローム解析技術を開発した。本研究は、本新技術を活用しIP合併肺癌の腫瘍微小環境の空間的マルチオミクス解析を行い、IPを増悪させることなく、有効に肺癌を標的とした治療可能な新規治療戦略を探索する。IP合併肺癌について、空間的トランスクリプトーム・メチローム解析を行い、集積したオミクス情報を統合し、IP合併肺癌の肺癌細胞と周囲免疫細胞、背景の間質細胞とのクロストークを中心とした腫瘍微小環境の全貌を解明し、その後の間質性肺炎の増悪の有無などの臨床経過、肺癌治療の効果の有無を明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでにおよそ100例のIP合併肺癌のFFPEブロックを収集し、臨床情報のリスト化を終えている。空間的プロテオーム解析およびメチローム解析についてはまだ着手できていない。

今後の研究の推進方策

1. IP合併肺癌の空間的トランスクリプトーム評価:すでに取得済みのIP合併肺癌の遺伝子変異解析データおよび、肺癌組織型・IPのパターン別に疾患の層別化を行う。次に、各群のサンプルを腫瘍中心部と辺縁部、背景肺の領域について、トランスクリプトームの空間的網羅解析を行い、各群および各領域に特徴的な遺伝子発現状態を明らかにする。解析は免疫細胞の浸潤評価と遺伝子発現状態を同時に評価可能な10xGenomicsの空間的遺伝子発現解析技術Visiumを用いて行う。
2. 空間的メチローム解析:1と同様に腫瘍内および非腫瘍部の領域別に組織を分取し、網羅的メチローム解析を行う。さらには、治療標的となりうる免疫チェックポイント分子の発現を免疫染色にて可視化した後に、個々の細胞を分取し、メチローム解析を実施する。解析には、上記に記載した新規開発した網羅的メチローム解析技術を用いる。1の情報およびその後のIP急性増悪の有無などの臨床情報の統合解析を行い、IP急性増悪の引き金となりうるリスクの高い免疫状態のメチロームを評価する。
3. 腫瘍内微小環境のプロテオームの可視化:免疫細胞、腫瘍間質細胞特異的マーカーを含む腫瘍微小環境マーカーの可視化と、上記1.2の解析で明らかとなるIP急性増悪の引き金となりうるメチル化状態の細胞の分布との同時可視化を試みる。解析には、1細胞レベルで40種類以上のタンパク質マーカー同時検出可能なSpatial解析システム(Phenocycler)を用いる。画像解析には、腫瘍細胞と免疫細胞間距離の客観的計測が可能なソフトウェアHALO(Visualix)を用いて行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi