研究課題/領域番号 |
23K19508
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
奥舎 有加 岡山大学, 医歯薬学域, 研究准教授 (50762027)
|
研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 遺伝性腫瘍 / VUS |
研究開始時の研究の概要 |
近年、次世代シークエンス技術(NGS)の進歩により遺伝性腫瘍の原因遺伝子の病的バリアント検出率は飛躍的に上昇した一方で、それに伴い膨大なVUSが蓄積されている。そこで申請者は、所属する研究グループから得た臨床情報から、PTEN遺伝子に未だ報告のないVUSを有する患者において、明らかな悪性腫瘍の家族集積を認め、さらには血縁者における同じPTENバリアントの存在だけでなく、巨頭症、知的障害が認められる複数の症例に着目し、これらの未だ知られていないVUSがどのように遺伝性腫瘍の発生および全身に影響を及ぼすのか、という学術的問いに対して、生物種・領域横断的にその機能を解明することを本研究課題の核心とした。
|
研究実績の概要 |
近年、NGSの進歩により遺伝性腫瘍の原因遺伝子PTENの病的バリアント検出率は飛躍的に上昇した一方で、それに伴い膨大なVUSが蓄積されている。また、機能的解析が十分でないVUSが多数存在することが、様々なコホート研究で問題となっている。申請者らは、遺伝性腫瘍におけるVUSの機能解明のため、まずin silico構造解析を行い、高い病原性が疑われる変異によりPTENタンパク質の電荷が変化し、結合タンパク質との複合体形成に変化が出るという結果を得た。また申請者は、高い病原性が疑われるPTEN_VUSのin vitro 解析のため、CRISPR/Cas9ゲノム編集法を用いてVUSを特異的標的とするsgRNAおよび修復オリゴを設計後、SpCas9-2A-GFPベクターに組み込み、細胞に導入することで、PTEN欠失細胞株およびPTEN変異細胞株を樹立した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in silico構造解析およびCRISPR/Cas9ゲノム編集法を用いたPTEN欠失細胞株およびPTEN変異細胞株の樹立は、申請者の計画通り実行できている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はPTEN遺伝子改変モデル動物の作製を行う。具体的には、変異細胞株を作成した高い病原性が疑われるVUSの変異点を特異的標的とするsgRNA、修復オリゴおよびCas9をICR系偽妊娠マウスに胚移植し、得られた個体のジェノタイピングによりPTEN遺伝子改変マウスを作製する。PTEN遺伝子改変マウス作製後は、PTEN過誤腫症候群を念頭に置いた精神疾患の検証については、空間学習・作業記憶の解析のための8方向放射状迷路試験などの行動実験解析を行う。次にマウスを灌流固定し、35μmの凍結脳切片を作成した後、中枢神経系において記憶を司る海馬のc-fos免疫組織染色を行い、神経活動の指標を比較する。
|