研究課題/領域番号 |
23K19509
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
服部 靖彦 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (20981343)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 膠芽腫 / ベバシズマブ / マクロファージ / 腫瘍微小環境 / TAMs / single cell RNA sequence |
研究開始時の研究の概要 |
ベバシズマブによる抗血管新生作用は国内外で報告されているが、TAMsに対する効果は十分には解明されていない。一細胞解析技術の発達により脳内マクロファージ、マイクログリアの機能解析が行われてきたが、TAMsのontologyの違いが膠芽腫に与える影響の解明は進んでいない。本研究では担腫瘍マウスモデルおよび一細胞解析技術を組み合わせることで、腫瘍微小環境におけるベバシズマブの役割を解明する。
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研究実績の概要 |
膠芽腫は予後不良な疾患であり、治癒に至る治療法は未だ確立されていない。我々は、岡山大学で開発したアデノウィルスにがん抑制遺伝子であるReduced Expression in Immortalized Cells/Dickkopf-3(REIC/Dkk-3)を組み込んだAd-SGE-REICを用いた基礎研究を行い、更に膠芽腫に対する第1/2a相医師主導治験へと橋渡しを行った。2022年に登録を完了し、現在、有効性と安全性の評価を行っている。 申請者は、抗VEGFA抗体を併用することで治療効果が増強することを報告し、特に腫瘍微小環境の変化が治療効果に寄与することを示した。抗VEGFA抗体であるベバシズマブの抗血管新生作用は知られているが、tumor associated macrophages(TAMs)に対する効果は十分には解明されていない。本研究では我々がベバシズマブが腫瘍微小環境、特にTAMsに与える影響を解明し、膠芽腫に対する新たな治療の意義を見い出す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腫瘍微小環境における抗VEGFA抗体の役割を解明するために、担腫瘍マウスモデルを作成した。このモデルに対して、PBS、Ad-SGE-REIC、Ad-SGE-REIC/抗VEGF抗体のいずれかの治療を行ったのち、腫瘍を移植した大脳半球を摘出し、網羅的発現解析を行った。とくに腫瘍以外の腫瘍微小環境を解析したところ、抗VEGFA抗体投与によりTNF-alpha NF-kB signaling pathwayやdelta-Notch signaling pathwayなどに有意な変化を認めた。特にNotch経路は、これまでに我々が報告してきた結果と合致していた。 本年度は網羅的トランスクリプトーム解析を含む解析が実施できており、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
免疫組織化学を用いて、マクロファージ特異的マーカーおよび網羅的トランスクリプトーム解析で同定された遺伝子について染色を行い、抗VEGFA抗体投与によるマクロファージにおける発現比較を行う。さらにマクロファージを単離し、腫瘍細胞と共培養することで、その機能を評価する。 また、一細胞解析を行うことで、より詳細な発現解析を実施する予定である。
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