研究課題/領域番号 |
23K19513
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
利田 賢哉 九州大学, 大学病院, 医員 (70979252)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / 腫瘍微小環境 / TA-HEV / 腫瘍免疫微小環境 / Tumor associated-HEVs / 免疫チェックポイント阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
肝細胞癌は、術後再発率が非常に高く、未だに予後が不良である。多くの切除不能肝細胞癌症例で、免疫チェックポイント阻害薬が使用されるが、その治療効果は限られている。近年、腫瘍へのリンパ球のリクルートメントの役割を担うTumor associated-High endothelial venules (TA-HEV)の発現が、免疫療法における薬剤感受性や生存率と相関することが報告されたが、肝癌におけるその意義は明らかにされていない。本研究では、肝癌切除標本を用いてTA-HEV発現と腫瘍微小環境との相関を、また動物モデルを用いてその発現が免疫療法の治療効果に及ぼす影響を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
肝細胞癌は、術後再発率が非常に高く、他の癌腫に比較して予後が不良である。多くの切除不能肝細胞癌症例で、免疫チェックポイント阻害薬(IO)が使用されるが、治療効果は限られており、 薬剤耐性獲得のメカニズムの解明やバイオマーカーの探求が、喫緊の課題である。近年、腫瘍内へのリンパ球のリクルートメントの役割を担うTumor associated-High endothelial venules (TA- HEV)の発現が免疫療法における薬剤感受性、生存率と相関することが報告されたが、肝癌におけるTA-HEV発現の生物学的意義は明らかにされておらず、本研究計画提出時からも新規の報告はない状況である。免疫組織化学染色については、初発肝細胞癌患者に対して肝切除を施行した400-500例の薄切を施行し、現在200症例程度のTA-HEVの免疫組織化学染色が終了している。予後との関連に関する解析は未である。また腫瘍微小環境の因子(T細胞・B細胞・マクロファージなど)の染色はもともと当科に存在するデータに加え、追加で施行している。TA-HEVの染色が終了次第、予後との関連腫瘍微小環境との関係も検討する。動物実験に関しては、PDXモデルの定着のために腫瘍サンプルを採取した後、どのように動物に腫瘍を形成させるのが良いかの計画を立案をした。動物実験の計画書は作成済みであり、許可が降り次第、実験を始める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
免疫染色においてTA-HEVのポジティブコントロール(扁桃)の染色は良好であったが、肝癌の染色条件の策定に時間を要したため、免疫染色に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
MECA-79の免疫染色をさらに進め、肝細胞の術後の予後について検討する(単変量・多変量解析)。腫瘍微小環境(T細胞・B細胞・マクロファージ)などのデータはあるため、TA-HEVの発現と腫瘍微小環境との関連を検討する。術後に再発を認めた症例で、免疫療法を施行している症例が存在したら、免疫療法の奏功と原発巣とのTA-HEV発現の関係について評価する。 動物実験に関しては、現在実験計画申請書を申請している状況である。
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