研究課題/領域番号 |
23K19531
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
砂田 拓郎 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (50980281)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 進行性前立腺癌 / オルガノイド / PDX / エクソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
進行性前立腺癌は、転移巣毎に予後が異なるが、転移巣の組織採取が障壁となり、前立腺癌転移の病態は不明な点が多い。基礎研究において反映する転移モデルはなく障壁となっていた。今回我々は、進行性前立腺癌臨床検体を用いた患者由来ゼノグラフトを介して前立腺癌オルガノイドを作成し、遺伝子編集を行い新たな前立腺癌転移モデルの作成に成功した。 そこで本研究では、この転移モデルを用いて転移に関わるキー遺伝子やターゲット分子の特定、またエクソソームによる転移指向性の評価を行い、新規治療探索を行うことを目的とする。この前立腺癌転移モデルは国外も報告がなく、新たな前立腺癌の新規治療開発、予後改善に寄与する可能性を有する。
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研究実績の概要 |
進行性前立腺癌は、転移巣毎に予後が異なるが、転移巣の組織採取が障壁となり、前立腺癌転移の病態は不明な点が多い。基礎研究において反映する転移モデルはなく障壁となっていた。我々は、進行性前立腺癌臨床検体を用いた患者由来ゼノグラフトを介して前立腺癌オルガノイドを作成し、前立腺癌転移モデルの作成に成功した。 本研究では、この転移モデルから原発腫瘍と転移腫瘍を回収し、DNAやRNAを抽出して解析を行った。遺伝子発現パターンはそれぞれの親株と転移モデル毎に同様の結果となった。また、親株と継代した転移モデルのコピー数解析をしたところ、コピー数異常に大きな変化はなかった。 この転移モデルを用いて転移に関わるキー遺伝子やターゲット分子を特定し、病態の解明を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DNAやRNAを抽出し解析するのに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
1)前立腺癌転移モデルを用いた転移の評価:各転移腫瘍と原発腫瘍との比較から各転移に関連する遺伝子経路の同定を目指してpathway解析やGSEA解析により行う。経路が特定できれば、Western BlotやPCRにより、経路に関連する遺伝子の評価も行い、肺転移、リンパ節転移、肝臓転移の各転移に関連するキー遺伝子やターゲット分子の同定を目指す。 2) 遺伝子機能解析、再現性の評価治療探索:1)の解析で特定した、キー遺伝子を用いた遺伝子編集を行う。進行性前立腺癌オルガノイドに対してキー遺伝子の強制発現やノックアウトを行い、オルガノイドの増殖や浸潤能がどのような影響を受けるかin vitroで評価する。そして、キー遺伝子編集したオルガノイドをマウスに再移植し、肺、肝臓、リンパ節転移が再現されるか評価する。そして、上記で抽出した、エクソソームを先行投与し、転移の発生率や発生速度に変化があるか、エクソソームによる転位指向性が誘導されるか評価を行う。また、並行して臨床応用性の評価を行う。各転移臓器別に同定したキー遺伝子について、保有する臨床におけるゲノム情報のライブラリーを用いて実臨床における遺伝子変異頻度を解析する。臨床における転移頻度と相関する場合、保有する臨床検体を用いて、ターゲット分子の発現経路に関する蛋白の発現を免疫染色により検討する。
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