研究課題/領域番号 |
23K19554
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
坂本 貴志 公益財団法人がん研究会, 有明病院 大腸外科, 医員 (70980481)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 機会学習 / 直腸癌術後再発 / 予測モデル / XGBoost / Lasso / 機械学習 / 直腸癌 / 再発 |
研究開始時の研究の概要 |
直腸癌は進行度に応じて術前化学放射線療法(CRT)やTNT(total neoadjuvant treatment)が国際ガイドラインでは推奨されているが、国内ガイドラインでは術前治療が標準治療として推奨されておらず、日常診療として浸透していない。海外の臨床試験では術前治療を行った場合にも進行直腸癌では20ー30%程度に局所または遠隔転移が認められており、再発予測は重要課題である。機械学習アルゴリズムに日常診療から得られるデータを投入することで、直腸癌術後再発予測モデルを構築する。
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研究実績の概要 |
2010年から2018年にかけて、当院で手術を受けた直腸癌患者のうち、同時性遠隔転移例、非根治切除例、観察期間が36ヶ月未満の例を除外し、XGBoost、Lasso回帰を用いて術後再発予測モデルを構築した。モデルには患者背景、術前治療、術前腫瘍マーカー、腫瘍部位、腫瘍肛門縁距離、術式、病理所見などの変数を投入した。予測能力の評価にはAUROCを用い、Delong検定を用いて参照モデルである術後病理所見(TおよびN stage)を変数としたLogistic回帰モデルと比較した。 対象となった1950人の患者の中央年齢は62歳で、男性が59.3%であった。術前化学療法を受けた患者は9.1%、術前化学放射線療法を受けた患者は26.6%であった。腫瘍部位はP / Rb / Ra / Rs = 1.7 / 46.3 / 27.8 / 24.2%であった。腫瘍肛門縁距離が4cm以上は42.1%、4cm未満は17.7%、不明は40.3%であった。術式は直腸切断術(12.2%)、括約筋間切除術(11.8%)、超低位前方切除術(26.6%)、低位前方切除術(27.4%)、高位前方切除術(17.3%)、その他(4.1%)であった。病理所見ではT3またはT4が46.4%、N陽性が33.4%で、静脈侵襲が63.8%、リンパ管侵襲が45.1%であった。術後再発は15.5%に認められた。XGBoostのAUROCは0.83(95% CI: 0.80-0.85)、Lasso回帰のAUROCは0.79(95% CI: 0.76-0.81)であり、参照モデルであるLogistic回帰のAUROC(0.74、95% CI: 0.72-0.77)よりも有意に優れていた(p<0.001, p=0.028)。機械学習を適用することで予測能の改善が見込めることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ抽出および、初期段階の解析は終了し、ある程度予想通りの結果が得られた。次段階への準備もできている。
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今後の研究の推進方策 |
次のステップとして、当初予定していた生存時間分析に機械学習手法を応用した①Penalised Cox regression ②Boosted cox regression ③Random forestsの3つカテゴリーの手法を用いて、予測モデルの構築と評価を行う。
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