研究課題/領域番号 |
23K19564
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐伯 龍之介 京都大学, 医学研究科, 助教 (20982515)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | クローン性造血 / COVID-19 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者で頻繁に認められるクローン性造血は血液腫瘍の前駆状態と考えられているが、近年、心血管疾患などの様々な疾患リスクとも関連することから注目が集まっている。しかし、クローン性造血が多彩な疾患リスクを上昇させるメカニズムは十分に解明されていない。過去の研究では、ゲノム異常を有する単球が臓器で炎症を惹起するというメカニズムが提唱されているが、より詳細な理解のためには、各単球サブタイプがいかなる液性因子によって炎症を惹起しているのか、 大規模ヒトコホートでの検討が望まれる。本研究では、CHが引き起こす炎症に関わる単球サブタイプと液性因子を同定し、疾患発症メカニズムの理解と治療標的の発見を目指す。
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研究実績の概要 |
血液腫瘍の前駆状態であるクローン性造血について、様々な疾患との関連が報告されているが、今年度は重症COVID-19との関連について、中心的に解析を実施した。 我々は初めて大規模なCOVID-19患者のコホートにおいて、遺伝子変異とコピー数異常の同時解析によって、クローン性造血とCOVID-19の関連性を評価した。その結果、クローン性造血がCOVID-19の重症化リスクを上昇させることに加えて、遺伝子変異・コピー数異常によるサブタイプ分類がリスクをさらに層別化することが判明した。また、クローン性造血については、ゲノム解析の結果にプロテオミクス、RNA-seq、メタボロームのデータを加えることで、クローン性造血により引き起こされる免疫制御の異常がCOVID-19重症化リスクに寄与している可能性が示唆された。 上記の免疫応答の変化について、一部はGTExのリソースを用いた健常者におけるクローン性造血の解析によっても確認することができたが、健常者においては確認できない変化もあり、これらはCOVID-19感染下における特徴的な変化を捉えていると考えられた。 また、その他の疾患との関連についても検討を進めており、現在バイオバンクジャパンから新規に40000例のDNAの分譲を受け、クローン性造血の解析を進めている。これらの検体について、クローン性造血の情報と、臨床情報、全ゲノムシーケンスやプロテオミクスデータとの統合解析を行うことで、クローン性造血の病態についてさらに詳細な検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
クローン性造血がCOVID-19の重症化を促すメカニズムについては、一定の結論を得ることができた。 また、その他の疾患との関連を検討するための準備も順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
クローン性造血とCOVID-19の関連性について得られた知見を論文として報告することを計画している。 また、その他の疾患との関連についても、UK BiobankやGTExなどの公開データの解析や、バイオバンクジャパンから新規に分譲を受けた40000例について解析を進め、クローン性造血の情報と臨床情報、全ゲノムシーケンスやプロテオミクスデータとの統合解析を行うことで、クローン性造血とさまざまな疾患の関わりについて詳細な検討を行う。
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