研究課題/領域番号 |
23K19625
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0904:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
三須 政康 奈良県立医科大学, 医学部, 研究助教 (40983664)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 住血吸虫症 / マンソン住血吸虫 / 組換えウイルス / ワクシニアウイルス / 住血吸虫 / 複数抗原型免疫 / 寄生虫 |
研究開始時の研究の概要 |
住血吸虫症は発展途上国を中心に2億人を超える罹患者が存在し、重症例や死亡例も多い世界三大寄生虫疾患の1つである。特効薬の登場により治療可能な疾患になったが、淡水貝を中間宿主とし、ヒト以外の哺乳類も終宿主にすることから防圧が非常に困難な疾患であり、ワクチン開発が期待されている。本研究では、住血吸虫の抗原スクリーニング及び評価系を構築し、複数抗原型免疫による感染制御を目指す。
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研究実績の概要 |
住血吸虫症は、WHOが提唱する顧みられない熱帯病(NTDs)の1つであり、発展途上国を中心に2億人を超える罹患者が存在する。特効薬としてプラジカンテルが用いられるようになったが、ヒト以外の哺乳類も終宿主(人獣共通感染症)とすることから防圧が非常に困難な疾患である。本研究では住血吸虫(Schistosoma mansoni)抗原を強制発現させた組換えワクシニアウイルスLC16m8株を樹立し、高い感染制御能を有する抗原をスクリーニング可能な系の構築を目指した。 高度弱毒化天然痘ワクチンLC16m8株のゲノムを保持するbacterial artificial chromosome(m8-BAC)システムを用いて組換えウイルスを作製した。m8-BACに挿入する抗原遺伝子は既報(Al-Naseri et al., 2021)を参考に、住血吸虫の代謝や免疫回避機構に関わるSm-TSP-2、Sm14、Sm-p80等を選定した。住血吸虫からRNAを抽出後、目的候補遺伝子のcDNAの調製に成功した。さらに、タンパク質精製を可能にするHisタグ配列を付加したサブクローニングにも成功した。今後は、これらの目的候補遺伝子を用いて組換えウイルスの作製を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
組換えワクシニアウイルスの作製にあたり、学内外の各種承認を必要とし、審査に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(令和6年度)は住血吸虫に対する抗原を強制発現させた組換えウイルス(m8-Sm)を調製し、目的抗原タンパク質の発現確認を行う。更に、動物実験により抗体産生能の評価を行うため、マウスへのm8-Sm接種を実施する。マウス血清を回収することで(接種前、1回・2回接種後)、抗体価を分析する。また、液性免疫および細胞性免疫に対する誘導能を各種サイトカインELISA解析やフローサイトメトリーによる表面抗原発現解析、遺伝子発現解析を用いて多角的に評価する。
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