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胃癌腹膜播種に対する新規分子標的薬抗Claudin 18.2抗体の奏効に関する基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 23K19642
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
研究機関自治医科大学

研究代表者

高橋 和也  自治医科大学, 医学部, 助教 (30721625)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード胃癌 / 腹膜播種 / Clauin18.2 / 免疫染色 / クローディン抗体 / gastric cancer / claudin 抗体 / 分子標的薬
研究開始時の研究の概要

腹膜播種は、スキルス胃癌における頻度の高い転移・再発様式で、重要な予後規定因子であるが、未だに患者予後の改善には繋がっていない。近年の臨床試験にて、分子標的薬抗CLDN18.2抗体の転移再発胃癌に対する有効性が報告されてきているが、腹膜播種を有する患者に対する治療効果は未だ不明である。本研究では、腹膜播種をきたす胃癌細胞上のCLDN18.2の発現を免疫染色とflowcytometryで特定するとともに、動物実験にて胃癌腹膜播種に対する治療効果を検討し、この新規分子標的薬が胃癌腹膜播種に対してどの程度の治療効果が期待できるのか?を明らかにする。

研究実績の概要

腹膜転移を伴う胃癌患者の予後は依然として不良で、新規治療薬の開発が急務である。
最近の臨床試験で、上皮細胞のTight Junctionの局在するClaudin18.2(CLDN18.2)に対するモノクローナル抗体が切除不能胃癌患者に有効であることが指摘されている。そこで、播種を伴う胃癌と診断された患者12名を対象に、原発巣と転移巣の両方の生検サンプルを採取し、CLDN18.2の抗体を用いた免疫染色によりCLDN18.2の発現を検討した。 染色の強度は、0 (反応性なし)、1+ (弱い)、2+ (中程度)、および 3+ (強い) に分類し、腫瘍細胞の40%以上が2+以上の発現を示した場合、CLDN18.2陽性と判定した。
CLDN18.2は、分化型腫瘍1/2(50%)および未分化型腫瘍4/10(40%)を含む、原発腫瘍3/12(25.0%)で陽性であった。 CLDN 18.2陽性は若い患者で多く見られたが、部位、肉眼型、播種の程度など他の臨床病理学的要因との相関はなかった。 播種巣におけるCLDN18.2の発現は、原発腫瘍における発現と比較して、すべての症例において明らかに低下しており、 CLDN18.2陽性原発腫瘍を示す3人の患者のうち、対応する播種性病変においてはすべて染色強度は低下していた。 また、CLDN18.2 陰性原発腫瘍を有する 9例では、すべての腹膜病変で CLDN18.2 の発現が欠如していた。 5 人の患者で複数の播種性病変を検討したが、CLDN18.2 の発現は一貫していた。
CLDN18.2 は、胃癌の原発腫瘍と比較して播種巣では低下している。腹膜播種を有する胃癌患者に対する抗 CLDN18.2 抗体の利用を検討する場合、播種性病変における発現を検討することが不可欠であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒト胃癌の切除サンプルを用いた免疫染色にてclaudinの発現を正確に把握できる実験条件を確定することができた。この条件下で、胃癌の原発巣と腹膜播種巣におけるClaudin 18.2の発現様式の傾向を見出すことができた。

今後の研究の推進方策

症例の追加とHER-2, PD-L1などの予後関連因子の発現との関連性を検討する。
培養細胞と動物モデルを用いてclaudin 18.2の機能と抗体薬の投与法による治療効果の差を検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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