研究課題/領域番号 |
23K19647
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
井元 和代 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (20978689)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心臓移植 / 心不全 / 臓器保護 / 機械的灌流 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦では心臓移植の実施数が登録数に比べて限定的であるために移植待機期間の長期化が問題となっており、実施数増加への対策が切望されている。一方で、マージナルドナー心や搬送に長時間を要するなどの理由で臓器提供の御意思が心臓移植に結びつかない場合がある。本研究では、摘出した心臓を体外で一定期間維持・管理するための体外機械的心臓灌流装置を設計し、動物実験を含む検討によって効果と課題を明らかにしつつ最適な実施条件を探る。そして最終的にはドナー心の安全な長時間搬送だけでなく体外での心機能評価・治療介入まで可能とする体外機械的心臓灌流法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
重症心不全患者に対する補助人工心臓治療の進歩は目覚ましくDestination therapyも開始されているが、最終的救命法として心臓移植が必要とされている現状は変わらない。心臓移植待機症例数は実施症例数を大きく上回り、ドナー心臓不足はいまだに切実な問題である。臓器保存方法として単純冷却浸漬保存法が一般的に使用されているが、虚血許容時間の制限は様々な課題の原因となっている。心臓移植の実施数を増加させるための一つの方法として、ドナーから摘出した心臓の体外での一定期間維持・管理・移送を可能にする体外機械的心臓灌流法及び同灌流法のもとでの心臓の評価・治療を可能とする方法の開発に向けて、単純冷却浸漬保存法よりも長期間の有効な心筋・心臓保護を可能とする体外機械的心臓灌流法に関する研究開発に取り組んでいる。本研究では体外機械的心臓灌流法の開発に向けて遠心ポンプ・人工肺・リザーバ・血液回路等を用いて体外機械的心臓灌流システムを構築し、模擬循環回路等を用いた試験によってその機能等を検討するとともに、実験動物より摘出した心臓による試験において、体外機械的心臓灌流を行い各種条件における灌流による心筋・心臓保護効果、心臓への影響等の検討を行う。これに向けた体外機械的心臓灌流法に関する問題点を抽出した。ガス交換による酸素化血液を連続的に大動脈基部に直接送血する方式では、大動脈弁の逆流抑止が体外機械的心臓灌流法の成立上必須であることから、大動脈弁の制御・冠灌流確保・モニタリングを可能とする体外機械的心臓灌流システム、並びに大動脈基部への直接送血によらないシステムのデザインと課題を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
体外機械的心臓灌流法に関する問題点を抽出し、体外機械的心臓灌流システムのデザインと課題を検討したが、その試作システムは未構築である。体外機械的心臓灌流試作システムを構築し、模擬循環回路等を用いた試験、実験動物から摘出した心臓による試験において体外機械的心臓灌流法の各種検討を実施することによって研究を推進する。
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今後の研究の推進方策 |
ドナーから摘出した心臓の体外での一定期間維持・管理・移送を可能にする体外機械的心臓灌流法及び同灌流法のもとでの心臓の評価・治療を可能とする方法の開発に向けて、単純冷却浸漬保存法よりも長期間の有効な心筋・心臓保護を可能とする体外機械的心臓灌流法に関する研究開発に取り組む。遠心ポンプ・人工肺・リザーバ・血液回路等を用いて体外機械的心臓灌流試作システムを構築し、模擬循環回路等を用いた試験、実験動物から摘出した心臓による試験において体外機械的心臓灌流法の各種検討を実施することによって研究を推進する。
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