研究課題/領域番号 |
23K19676
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
大橋 慶久 北里大学, 医学部, 助教 (80979980)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 筋線維芽細胞 / 変形性関節症 / 疼痛 / 平滑筋様細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに蓄積した滑膜組織と新たにOA患者から採取する滑膜組織を用いて平滑筋様細胞の割合の算出とトランスクリプトーム解析を行う。これらの結果と患者疼痛スコアとの関連性を検討することで表現型と疼痛への関与を明らかにする。高感度ペプチドーム解析システムとiPS由来感覚ニューロンを用い平滑筋細胞由来の疼痛ペプチドを探索する。これにより、新たな疼痛機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
変形性関節症(OA)の滑膜組織で滑膜線維芽細胞 (Fb)は主たる構成細胞である。いくつかの基礎研究から Fb の OA 疼痛病態への関与が報告されている。しかしな がら,疼痛関連のFbサブセットの詳細は不明である.近年, 皮膚免疫研究から CD39+Fb が線維化・瘢痕化に関与す ることが明らかになった.OA 滑膜における CD39+細胞に着目して,そのサブセットの特徴と疼痛病 態への関与を検討した。OA 患者 25 例から人工膝関節置換術中に滑膜組 織を採取し,実験試料として使用した。フローサイトメトリーを用いて,Fb 分画(CD45-CD31-CD90+)中の Fb 関連マーカー(CD55, CD39)におけるサブセット解析を 行った。各サブセットの割合と visual analog scale (VAS) で評価された術前安静時痛と活動時痛との相関を調査した。各 3 例で得られた各サブセットをセルソーティングで 採取し,RNA-Seq 解析,LC-MS によるプロテオーム解析 を行った。フローサイトメトリーから CD39+CD55-細胞, CD39-CD55+細胞および CD39-CD55-細胞からなる 異なるサブセットを同定した.CD39+CD55-サブセットの割合と安静時および動作時 VAS との間に正の相関を認めた。RNA-Seq およびプロテオーム解析では,CD39+ CD55-サブセットにおける CNN1, MYH11 等 の筋線維芽細胞マーカーの発現がその他サブセットと比較 して高かった。CD39+CD55-サブセットは疼痛と関連し,筋線維芽細胞マーカーを高発現していた。OA 滑膜における CD39+CD55-サブセットは筋線維芽細胞様の表現型を有する疼痛関連サブセットである可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
滑膜組織における筋線維芽細胞の表現型と疼痛との関与を明らかにした。概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
滑膜線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化機構を明らかにする。
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