• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

唾液腺間葉系細胞が口腔乾燥症にもたらす影響の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K19693
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0907:口腔科学およびその関連分野
研究機関徳島大学

研究代表者

福場 真美  徳島大学, 病院, 助教 (40980165)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード口腔乾燥症 / 自己免疫疾患 / シェーグレン症候群 / 間葉系細胞
研究開始時の研究の概要

外分泌腺を標的とする自己免疫疾患であるSjogren's syndrome(SS)は、導管周囲へのリンパ球浸潤を病理組織学的特徴とし、病態の進行・増悪により唾液腺の脂肪化や線維化が生じる場合がある。本研究では脂肪細胞と線維芽細胞のいずれにも分化可能な間葉系幹細胞に着目し、SS患者唾液腺における脂肪化や線維化のメカニズムを明らかにすることを目的とした。SS患者検体の間葉系幹細胞から分化させた脂肪細胞、線維芽細胞を主に用い、唾液腺を構成する上皮由来細胞や免疫細胞へどのような影響を与えるのか検討する。本研究の遂行により、SS病態への間葉系細胞の新たな制御機構が明らかになる可能性がある。

研究実績の概要

まず、唾液腺に浸潤する脂肪細胞周囲に免疫細胞が存在するか検討した。シェーグレン症候群患者の口唇腺生検材料および対照群の耳下腺材料において、脂肪細胞周囲にマクロファージが存在することを組織免疫染色で確認した。
続いて、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞株であるUE7T-13を用い、脂肪細胞へ分化誘導実験を行った。脂肪細胞への分化はOil Red O染色で確認した。
また、公共データベースを用い自己免疫疾患における唾液腺での遺伝子発現の網羅的解析を実施した。1型糖尿病を自然発症するモデルマウスであるNOD (Non-Obese Diabetic)マウスでは、唾液腺炎を高頻度に伴うことが知られており、GEO (Gene Expression Omnibus)からNODマウス唾液腺のDNAマイクロアレイ実験データを利用した。雌マウスの1型糖尿病発症群(21週齢)と非発症群(21週齢、6週齢)を比較し、変動遺伝子はMetascapeを用いてエンリッチメント解析を実施した。1型糖尿病発症群の唾液腺ではアミラーゼやチキナーゼといった酵素などの遺伝子発現が亢進し、消化に関連するパスウェイの変動が示唆された。一方、非発症群ではカリクレインやレニンなど血圧調整に関わる遺伝子の発現亢進が見られ、レニン-アンジオテンシン系のパスウェイに変動が生じている可能性が明らかになった。
さらに、GEOからヒトシェーグレン症候群患者の唾液腺でのRNAシークエンス解析のデータを若年者患者と中高年者患者で比較した。IPAを用いてNODマウス1型糖尿病非発症群(6週齢)と発症群(21週齢)の差と同時解析すると、高齢群の唾液腺ではTNFやIFN-γ、IL-1といった炎症性サイトカインが誘導されていることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では患者検体から間葉系幹細胞を分化誘導することを目指していたが、細胞数が少なく困難であった。そのため間葉系幹細胞株を用いて脂肪細胞への分化誘導実験を行っているが、条件の検討に時間がかかっているため。

今後の研究の推進方策

唾液腺の脂肪細胞周囲のマクロファージの種類や機能を検討する。マクロファージの役割が明らかになれば、関連する炎症性サイトカインをヒトシェーグレン症候群患者の唾液を用いて検証する。また、UE7T-13を脂肪細胞へ分化誘導し、未分化の状態を対照群として炎症性サイトカインの発現を検討予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] CD4+ T-cell-dependent differentiation of CD23+ follicular B cells contributes to the pulmonary pathology in a primary Sjogren’s syndrome mouse model2023

    • 著者名/発表者名
      Sato-Fukuba Mami、Arakaki Rieko、Ushio Aya、Otsuka Kunihiro、Nagao Ruka、Matsuzawa Shigefumi、Tawara Hiroaki、Tsunematsu Takaaki、Ishimaru Naozumi
    • 雑誌名

      Frontiers in Immunology

      巻: 14 ページ: 1217492-1217492

    • DOI

      10.3389/fimmu.2023.1217492

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 不明熱を契機にシェーグレン症候群の診断に至った7歳女児例2023

    • 著者名/発表者名
      福場真美、浪花耕平、可児耕一、桃田幸弘、青田桂子
    • 学会等名
      第70回 NPO法人 日本口腔科学会中国・四国地方部会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi