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冬眠様低代謝状態を応用した新規器官保存法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K19747
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0907:口腔科学およびその関連分野
研究機関九州大学

研究代表者

田 甜  九州大学, 歯学研究院, 助教 (20981260)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード歯 / 器官培養 / 低温
研究開始時の研究の概要

現在、再生医療の分野では、再生臓器の作製とその医療応用の技術開発が急速に進んでいる。しかしながら、製造のコストや安全で均質な再生臓器の管理など、問題点は多い。申請者はこれまでの研究で、歯胚の器官培養法を用いたスクリーニングモデルを構築し、低温による器官発生のコントロールが可能であることを発見した。本モデルを応用することで、再生器官の保存法を効率的にスクリーニングすることが可能である。そこで本研究では、低温による低代謝状態が器官発生に与える影響の解析を行う。

研究実績の概要

現在、再生医療の分野では、再生臓器の作製とその医療応用の技術開発が急速に進んでいる。しかしながら、製造のコストや安全で均質な再生臓器の管理など、問題点は多い。これまでの研究で、歯胚の器官培養法を用いたスクリーニングモデルを構築し、低温による器官発生のコントロールが可能である可能性を見出した。本モデルを応用することで、再生器官の保存法を効率的にスクリーニングすることが可能である。そこで本研究では、低温による低代謝状態が器官発生に与える影響の解析を行うことを目的として研究を開始した。
胎生14日齢マウス歯胚を顕微鏡下にて摘出し、器官培養法にて培養を行った。コントロール群では正常に発育するのに対し、培養温度の低下に従って、歯胚の発育段階の遅延が生じた。4℃の培養温度においては、完全に歯胚の発生が停止した。さらに、発生の停止した歯胚が再発生可能かどうか調べるために、低温で1ヶ月保存後、再度37℃の培養温度にて培養を行った。その結果、4℃の低温で保存を行った群では歯胚の再発生が生じなかったのに対し、25℃の低温保存群では、有意に歯胚の再発生率が上昇した。この結果は、器官培養法を用いて培養温度を変化させることで、歯胚の発生を一時的に停止もしくは遅延させることができる可能性を示し、新たな器官保存法の開発につながる可能性が考えられる。今後は本モデルを用いて、低温による発生の停止状態における機能解析を行うことで、低温時における器官発生停止の機能解明を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

低温にて器官発生を遅延させるex vivoモデルの構築に成功した。

今後の研究の推進方策

本モデルを用いて、4°Cと25°Cの培養条件において遺伝子発現の違いを網羅的に解析することで、低温 による低代謝状態に関わる遺伝子群の網羅的遺伝子解析を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Identification of GPI-anchored protein LYPD1 as an essential factor for odontoblast differentiation in tooth development2023

    • 著者名/発表者名
      Fu Y, Miyazaki K, Chiba Y, Funada K, Yuta T, Tian T, Mizuta K, Kawahara J, Zhang L, Martin D, Iwamoto T, Takahashi I, Fukumoto S, Yoshizaki K.
    • 雑誌名

      J Biol Chem.

      巻: 299(5) 号: 5 ページ: 104638-104638

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2023.104638

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] エナメル芽細胞極性化におけるp130Casの機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      川原 純平, 吉崎 恵悟, 湯田 智美, 井上 茜, 宮崎 佳奈子, 田 甜, 自見 英治郎, 高橋 一郎
    • 学会等名
      第65回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 温度依存性器官培養法を用いた組織長期保存スクリーニングモデルの検討2023

    • 著者名/発表者名
      湯田 智美, 吉崎 恵悟, 田 甜, 宮崎 佳奈子, 鮒田 啓太, 水田 敢士, 傅 堯, 川原 純平, 張 玲, 高橋 一郎
    • 学会等名
      第65回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 基底膜分子NephronectinのRGD領域はインテグリンaVb6と結合することでエナメル芽細胞の分化を制御する2023

    • 著者名/発表者名
      水田 敢士, 吉崎 恵悟, 湯田 智美, 宮崎 佳奈子, 鮒田 啓太, 田 甜, 傅 堯, 川原 純平, 張 玲, 高橋 一郎
    • 学会等名
      第82回日本矯正歯科学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 歯胚器官培養法を用いた温度制御による組織長期保存スクリーニングモデルの確立2023

    • 著者名/発表者名
      湯田 智美, 吉崎 恵悟, 田 甜, 宮崎 佳奈子, 鮒田 啓太, 水田 敢士, 傅 堯, 川原 純平, 張 玲, 高橋 一郎
    • 学会等名
      第82回日本矯正歯科学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] p130Casはエナメル芽細胞分化過程において細胞極性を制御する2023

    • 著者名/発表者名
      川原 純平, 吉崎 恵悟, 湯田 智美, 井上 茜, 宮崎 佳奈子, 田 甜, 韓 涛, 自見 英治郎, 高橋 一郎
    • 学会等名
      第82回日本矯正歯科学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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