研究課題/領域番号 |
23K19748
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
青木 司 九州大学, 大学病院, 医員 (80979386)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 炎症 / 骨 / NF-κB / 硬組織 |
研究開始時の研究の概要 |
転写因子Nuclear Factor κB (以下NF-κB) は免疫応答や炎症を制御する重要な役割を担っている。本分子にはいくつかのリン酸化部位があるが、未だに生理的な意義が解明されていないリン酸化部位が存在する。ここでは、NF-κB p65 サブユニットのリン酸化部位のうち、468番目のセリン残基に焦点を当てる。本サブユニットのセリン残基のリン酸化と歯周炎症との関連を明らかにし、新たな歯周炎治療における治療標的となり得るか否かを検討する。将来的に重度歯周炎患者への臨床応用や、その他の炎症性疾患に対する治療標的として新規治療の確立に繋がる研究へと展開を図る。
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研究実績の概要 |
今年度は研究を開始するにあたっての情報収集および準備に時間を割いた。国内学会および国際学会に参加し、自分の研究と関連のある研究を行なっている方々を意見交換などを行い情報収集を行なった。 実験を遂行するにあたって、まずはin vitroで行う実験の準備を行なった。マウス胎児線維芽細胞(MEF)を作製するために使用する試薬の準備そして野生型マウスからMEFを調整し、今後の実験の準備を行なった。今回の研究テーマで着目しているp65の468番目のセリン残基のリン酸化を阻害する阻害薬をマウスに局所投与する前に、野生型マウスのMEFを用いて細胞毒性を含め、どのような影響が見られるかを確認していく予定である。 現在マウスの467番のセリン残基(ヒトでは468番目)をアラニンに置換したS467Aノックインマウス(S467A KI) を入手するための手続きを進めているが、S467A KIマウスが到着次第、野生型マウスとS467A KIマウスそれぞれにおいて歯周炎モデルマウスを作製する予定である。歯周炎モデルマウス作製のために、必要な器具や試薬を準備した。また、骨吸収に差が見られた場合、破骨細胞の形成能および骨吸収能を見るために、破骨細胞形成のために必要な試薬の準備などを行なった。 S467A KIマウスが到着するまでは、MEF作製の練習および野生型マウスを用いて歯周炎モデルマウス作製の練習、および歯周炎モデルマウスからの組織サンプル回収の練習などを行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
試薬やin vitro実験の準備を中心に行なっていたため、使用する予定の遺伝子改変マウス購入の手続きが遅れてしまった。手続きに時間を要しているため遺伝子改変マウスが到着次第、順次予定していた実験を開始していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
S467A KIマウスの入手手続きを進めているが遺伝子改変マウスが到着次第、野生型マウスおよびS467A KIマウスそれぞれの歯周炎モデルマウスを作製しそれぞれのマウスの顎骨、結紮部の周囲歯肉を採取する。顎骨はμCT撮影を行い、野生型および S467A KI マウスそれぞれの歯周炎による骨吸収を比較する。顎骨は組織学的な解析を行うため、組織切片を作製し、ヘマトキシリン-エオジン染色、および破骨細胞数を比較するためにTRAP染色を行い破骨細胞数の比較を行う。採取した歯肉からRNAを抽出しqPCRを行い、サイトカイン遺伝子遺伝子の発現量の比較を行う。野生型マウスおよびS467A KIマウスそれぞれの大腿骨の骨髄から単球細胞を採取し、M-CSF と RANKLを含んだα-MEMで培養し、破骨細胞へと分化させる。それぞれのマウスのサンプルから作製した破骨細胞の数や形態を比較し、骨髄細胞から破骨細胞への分化能を比較検討する。また、ピットアッセイを行うことで破骨細胞の骨吸収能を比較する。さらに、野生型モデルマウスにp65のセリン残基468番のリン酸化阻害薬を局所投与する予定であるが、まずは細胞毒性などを確認するためにMEFを用いてどのような影響があるかを確認する予定としている。
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