研究課題/領域番号 |
23K19779
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 茨城キリスト教大学 |
研究代表者 |
相川 玄 茨城キリスト教大学, 看護学部, 助教 (90982570)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 第2の被害者 / 医療過誤 / 有害事象 / 集中治療 / クリティカルケア / 医療従事者 / 救急 |
研究開始時の研究の概要 |
医療過誤や有害事象の第1の被害者は患者であるが、それらに関与した医療従事者は第2の被害者と称され、不安や抑うつ、心的外傷後ストレス障害などの「第2の被害者症候群(Second Victim Syndrome: SVS)」を呈することがある。救急・集中治療医療においては、医療過誤や有害事象の発生率や影響度は高く、医療従事者への精神的影響も強いと予測されるが、本邦の救急・集中治療領域のSVSに関する実態は不明である。 そのため本研究の目的は、本邦の救急・集中治療領域の医療従事者のSVSの実態及び、第2の被害者が望む支援リソースについて明らかにし、第2の被害者の支援プログラムを開発することである。
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研究実績の概要 |
医療過誤や有害事象などの医療安全事象による第1の被害者は患者であるが、医療従事者もまた心に深い傷を受け、不安や抑うつ、心的外傷後ストレス障害などの第2の被害者症候群(Second Victim Syndrome: SVS)を来し、欠勤や離職を考えるようになる。救急・集中治療領域においては医療過誤や有害事象の発生率が高いため、SVSの有病率も高いことが予測されるが、その実態は不明である。 今回、まず先行研究をもとに集中治療室の医療従事者におけるSVSの有病率、種類、危険因子、回復時間に関するシステマティックレビューとメタアナリシスをおこなった。その結果、集中治療室の医療従事者の58%がSVSを経験しており、頻繁な症状として、罪悪感(12-68%)、不安(38-63%)、自己への怒り(25-58%)、自信の低下(7-58%)が見られた。危険因子については先行研究からは明らかにならず、約20%の医療従事者がSVSから回復するまでに1年以上を費やすか、全く回復していない状態であった。 次に、SVSと第2の被害者が望む支援リソースを評価するためのツールとして、「Second Victim Experience and Support Tool-Revised」の日本語版(J-SVESTR)を開発し、本邦の医療従事者を対象にその妥当性と信頼性を検証した。その結果、本邦においてJ-SVESTRは許容可能な妥当性と信頼性を示した。今後、このJ-SVESTRを用いて、本邦の救急・集中治療領域の医療従事者のSVSの実態及び、第2の被害者が望む支援リソースについて明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
全国の救急部門・集中治療室に所属する医療従事者を対象にJ-SVESTRを含めたアンケート調査を送付し、SVSの実態と第2の被害者が望む支援リソースについて調査するとともに、改善し得る危険因子を明らかにする。 その後、患者安全や集中治療の専門家を募り、得られた結果をもとに専門家会議を通して第2の被害者支援プログラムを開発する。
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