研究課題/領域番号 |
23K19799
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
温 書恒 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任助教 (80981779)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | コカイン / 血管毒性 / ミトコンドリア分裂 / DRP1 / HIF-1α / 血管平滑筋細胞 / 法医学 / 法医中毒学 / 肺高血圧症 |
研究開始時の研究の概要 |
コカイン毒性の機序の解明は法医学における重要な課題の一つである。コカインの乱用は、肺高血圧症の発症に関与する。肺高血圧症は、重篤な肺血管障害であり、肺血管の閉塞による肺血管抵抗の上昇と右心への負荷増加を引き起こし、最終的に右心不全に至る。肺動脈平滑筋細胞の過剰増殖は、肺高血圧症の重要な原因の1つと考えられており、コカイン乱用者の解剖でよく見られる所見である。その発症機序には,低酸素誘導性因子経路、及びミトコンドリア動態の変化などが関与していることが示されている。本研究ではコカイン乱用モデルを用い、コカインによる肺高血圧症の病態におけるミトコンドリア動態の役割に注目して、その発症機序を検討する。
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研究成果の概要 |
コカインの長期乱用は、冠動脈アテローム性動脈硬化症や肺高血圧症などの心肺血管疾患と関与する。低酸素誘発性血管リモデリングの発症にはHIFシグナル伝達とミトコンドリア分裂が重要な役割を果たすことが示唆されているが、コカイン関連血管リモデリングの発症メカニズムは未だ解明されていない。本研究では、in vitro実験により、コカインの長期投与が酸化ストレス/HIF-1α/DRP1依存性ミトコンドリア分裂経路を介して血管平滑筋細胞の過剰増殖を引き起こすことを示された。この機序の解明はコカインによる血管毒性に新たな知見を与えると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺高血圧症の発症機序の解析はここ数年の間に長足の進歩を遂げているが、いまだにコカインによる肺高血圧の発症機序はまだ解明されていない。我々はコカインの長期投与が酸化ストレス/HIF-1α/DRP1依存性ミトコンドリア分裂経路を介して血管平滑筋細胞の過剰増殖を引き起こすことを示された。コカインによる酸化ストレスに起因するDRP1依存性ミトコンドリア分裂の活性化が、コカインによる肺高血圧症の発症機序と明らかになった。この機序の解明は、コカインによる肺高血圧症に対する理解の空白を埋めることになり、コカイン肺毒性に新たな知見を与えることになると考えられる。
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