研究課題/領域番号 |
23K19820
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
岩間 裕司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 進学課程, 助教 (10983075)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | VR / 新任訪問看護師 / 困難感 / 認知 / 自己調整 / インストラクショナルデザイン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新任訪問看護師が訪問時に直面する困難感を調整する思考力を高めるためのバーチャルリアリティ(VR)技術を活用した学習教材を開発し、その効果を検証する。訪問看護師が一人で緊急性などを判断することには困難感を伴い、離職の原因となっている。同行訪問が困難感解決には有効であるが、人手不足が課題となっている。 本研究ではVR技術を使用して、訪問看護師が訪問時に経験する困難な状況をリアルに再現し、問題解決に縛られず、思考スキルの学習に集中できるモバイル教材を開発する。訪問看護師を始めてから1年未満程度の比較的経験の浅い看護師を対象として教材のテストを行い、教育効果と改善点を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、新任訪問看護師のアセスメント時の困難感に対処する思考スキルを学ぶ教材を開発することを目的としている。 困難感の調整を学ぶためには、バーチャルリアリティ(VR)映像で、学習者が困難感をリアルに体感できる情景を映し出すことが肝要である。そこで具体的な映像設計の基礎情報を収集するため、訪問看護師にインタビューを行い、困難感を伴う場面について調査した。 結果として、悪性疾患ターミナル期の方が突然嘔吐したことに関する家族の通報による深夜の緊急訪問で、現場到着時には症状消失しているものの、本人の意識状態が悪く、消化器系の異常だけでなく神経系の異常も懸念される場面の事例情報を得た。分析を通じて、認知的側面として、即時的な対応が必要かどうか判断するための十分な情報がないこと、また、深夜であるために他の医療者への相談に遠慮してしまい、単独での判断への自信を持ちきれないことが困難感の理由の一つとして考えられた。また、知識的側面として、緊急性が高いかどうかを判断するための系統的な診察知識が不足していることも考えられた。 訪問看護師の困った・迷った事例について、困難感に繋がる認知的側面から分析したことで、個別の事例の振り返りに留まるのではなく、学習につながる知見を得たことは成果である。さらに本成果は、VR教材を設計する上での基盤とするだけでなく、教材のテスト実施後の調査・分析において看護師が困難感をどのように感じ、どのように調整することができるかを考察する上での指針ともなると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、困難感に関する調査を行い、VR教材を作成するための基礎的知見を得た。教材のシナリオを作成中であり、計画通り完成する予定である。教材のシナリオの作成と並行し、撮影協力者を募っている。撮影場所の使用許可は得ている。
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今後の研究の推進方策 |
準備が整い次第、教材シナリオに基づき360度カメラでの困難感場面の撮影を行う。映像データは編集しビジネスエンジニアリング社のMcframe motionを利用し教材作成を行う。編集作業は1カ月程度を見込んでいる。教材による困難感提示の効果および自己調整思考スキルの学習効果について調査し、結果を公表する。
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