研究課題/領域番号 |
23K19834
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
高木 佑介 佐賀大学, 医学部, 客員研究員 (30985536)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ALDH2 / ALT / ビタミンB6 / PLP / vitamin b6 / alanine aminotransferase |
研究開始時の研究の概要 |
飲酒によってフラッシング等の不快な症状を呈する体質の人(ALDH2*2 保有者)は、飲酒関連がんリスクが高い。医療従事者は血清ALT等の肝胆道系酵素の上昇をもって、がんを始めとする飲酒関連健康リスクを評価しているが、ALDH2*2保有者では飲酒によって血清ALTが低下するため、リスクが容認されてしまう傾向にある。この飲酒誘導性の血清ALT低下の機序は不明であるが、血清ALT低値はビタミンB6欠乏で起こるという報告があり、「ALDH2*2保有者は飲酒によりビタミンB6濃度の低下を招き血清ALTが低下する」を仮説とし、モデル動物を用いて、その実証実験を行う。
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研究実績の概要 |
Aldh2KO(Aldh2-/-)マウス(以下:すべて♂のみ)がエタノールを摂取した場合に、水を摂取した群(5検体)よりもビタミンB6(PLP)が有意差をもって低下することを5検体で確認した。また、対照群として、Aldh2+/+マウスで水摂取群7検体、エタノール摂取群7検体についても同様に確認し、こちらはエタノール摂取群で水摂取群に比べPLPが低下することがないことを確認している。 また、ALT上昇を確認するためのビタミンB6(PLP)添加量はALT等の国際的な検査法であるIFCC法に準じて0.1mmol/lを想定しているが、その添加量がマウス検体でも妥当か確認する必要がある。しかし、上記検体の測定において、Aldh2KOマウスのPLP低下は有意差をもってはいたものの、若干PLPの数値がばらついており、PLP添加量の確度を上げるため、現在の1.5~2倍程度まで検体数を増やしてPLPの添加量を検討する予定にしており、まだ、検体を集めている段階である。 並行して、本研究の予備研究である佐賀J-MICC studyを用いたヒトでの検討について論文執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備研究を詳細に検討している段階で、本研究に影響をきたす部分ではないが、新たな発見があり、想定していたよりも予備研究の論文執筆に時間を要している。 また、本研究で必要としているマウスは、別の実験でも使用されているため、必要検体数の達成に手間取っている。
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今後の研究の推進方策 |
予備研究に関する論文執筆を1~2か月以内に完了させる必要がある。 検体数は概ね揃いつつあるので、予備研究に関する論文執筆が完了すれば、本研究におけるマウスのビタミンB6の解析に着手できる。既に一部完了しているため、単純にn数を増やして解析するだけであり、こちらは比較的容易である。そのビタミンB6濃度を参考に、PLPの添加量を決定し、ALTの測定に臨み、概ね残り半年間で論文まで記載する。 ただし、工程が遅れている分で、①想定している結果、すなわちエタノール摂取をさせたAldh2KOマウスの血清にPLPを添加しても、ALT低下が改善しない場合の追加実験が必要になった場合は進捗がさらに遅れる可能性がある。 また、マウスから採取した血清量及びALT測定に要する血清量を考慮すると、PLPの添加量は2つの濃度で実施するのが限界であり、PLPの添加量の設定が誤っていた場合、最初の検体集めから再度行うことになり、多大な時間を要してしまうことになるため、PLPの添加量を決める段階では慎重に検討する必要がある。
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