研究課題/領域番号 |
23K19852
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
小野 綾美 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 研究員 (10621287)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 胃がん / コホート研究 / 疫学 / H.pylori / ピロリ菌除菌 / 胃がん予防 / gastric cancer / prospective cohort study / Helicobacter pylori / epidemiology / eradication treatment |
研究開始時の研究の概要 |
近年胃がんリスク層別化のため検診現場でペプシノゲンとヘリコバクターピロリ抗体の併用法が用いられるが、対策型検診としての有効性は明らかにされていない。本研究では、2016-19年に東京都内で対策型胃がん検診を受診した約3000人に対し、リスク層別化でのハイリスク者に対し胃X線や胃内視鏡を実施の群と、層別化をせずX線や内視鏡を実施の群に分けて追跡した進行胃がん罹患率減少度の調査、ピロリ陰性群からの胃がん罹患実態の調査、および健診結果でのピロリ陽性率と追跡経過中の除菌を集計し、リスク層別化による除菌行動の増加を検証する。最終的に除菌歴と死亡率減少効果の代替指標としての罹患率減少効果の関連評価を行う。
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研究実績の概要 |
自治体や検診医療機関等の現場において近年実施されているペプシノゲンとヘリコバクター・ピロリ抗体の併用法による胃がんリスク層別化は、この方法を従来の対策型胃がん検診に先立って行うことの有効性については明らかにされていない。本研究では、都内の対策型胃がん検診受診者で、従来の対策型胃がん検診に先立って、胃がんリスクの層別化を行った群と、リスク層別化をせず対策型胃がん検診のみを実施した群で追跡を行い、両群の胃がん死亡率及び進行胃がん罹患率減少の度合いを比較することを目的としている。 2023年度は、2016-2020年のリクルート期間に行われたの追跡開始時の問診によるベースラインデータおよび各自治体で収集された参加年の検診結果および精密検査結果データの突合作業を行い、データ解析基盤の構築をすすめた。2016-2020年3月までのリクルート期間に計3209名の参加登録があった。重複や不適格者を除いたベースライン時の解析対象者3168人(男性44% 女性56%)のうち、ペプシノゲンとヘリコバクター・ピロリ抗体の併用法による胃がんリスク層別化検診の参加者は2650名(83.7%)、対策型検診のみの参加者は518名(16.3%)であり、対象者のうちピロリ菌の除菌歴があると回答した人は全体の7.9%であった。 年次の追跡調査としては、2023年度前半に実施した郵送調査の集計作業、異動調査のための住民票照会および次年度の解析および結果公表に向けて2016年度2020年度の全国がん登録データの利用申請を行い応諾された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在まで収集されたデータの集計作業、ベースラインデータの解析基盤の構築、次年度に行う郵送追跡調査の準備のため集計、アンケート内容の検討等を行い特に大きく滞ることなく進捗できた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度としては、構築されたデータ解析基盤からの縦断的な解析結果を集計し、各年実施の追跡データを含めた横断調査結果のデータ解析基盤の構築と解析方法および全国がん登録の利用申請により入手した情報を含めた公表の方法について検討し実施していく予定である。異動情報およびがん罹患および死亡死因情報の収集については2023年度同様に、住民票照会および人口動態調査目的外利用、がん罹患状況把握のための全国がん登録のリンケージ利用申請を行い、より正確な参加者の罹患や異動の状況把握を進めていく。
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