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熱傷後の免疫系アンバランスを整えるナノ型乳酸菌を用いた新規ケア技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K19856
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0908:社会医学、看護学およびその関連分野
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 佑樹  東北大学, 医学系研究科, 助手 (70978634)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード熱傷 / 乳酸菌 / 創傷治癒 / CARD9 / 免疫 / 看護
研究開始時の研究の概要

熱傷は死亡率の高い外傷である。急性創傷と異なり広範囲熱傷では、皮膚組織における過剰な免疫応答が誘導され、次第に全身へ波及し、免疫系のアンバランスが引き起こされる。この全身における免疫系のアンバランスにより熱傷部で細菌の増殖を抑制できず、容易に全身感染に移行し、敗血症による死亡率が高まる。したがって、熱傷局所の感染予防ケアは看護師の重要な役割である。
当研究室では、加熱殺菌体であるナノ型乳酸菌が急性創傷の治癒促進と細菌増殖抑制に関わることを明らかにしており、本研究では、銀に代わる抗菌性と安全性を兼ね備えた、新たな熱傷ケア方法の開発に向け、ナノ型乳酸菌の熱傷治癒と感染防御への効果を解明する。

研究実績の概要

熱傷は多量の壊死組織や炎症性因子を伴う外傷で、受傷後の過剰な炎症による組織傷害や、過剰な免疫抑制による感染といった免疫系のアンバランスを引き起こす。本研究では、免疫応答のバランスを調整し、創傷治癒促進作用が認められたナノ型乳酸菌による熱傷治癒への影響を明らかにすることを目的とする。
本年度は熱傷マウスモデルの至適条件検討とナノ型乳酸菌投与方法の検討を実施した。熱傷の作成方法は、熱放散による誤差を抑えるため、温度設定および温度維持が可能なはんだごてを用いて60℃~90℃の温度条件で、マウス背部に接触させることで作成した。温度条件の検討の結果、誤差なく皮膚全層におよぶ熱傷が作成でき、尚且つ熱傷創部と正常皮膚との境界が明瞭で肉眼での評価も可能である90℃、10秒間接触の条件に決定した。当初は、熱傷作成直後にナノ型乳酸菌を投与することを検討していたが、創部を覆う壊死組織の存在により局所投与が阻まれ、投与方法の再検討の必要性が考えられた。検討の結果、作成翌日に生じる壊死組織を、臨床に倣い、外科的に壊死組織を除去し、創部局所投与が可能な熱傷モデルを確立した。
ナノ型乳酸菌はマクロファージなどの細胞に発現するC型レクチン受容体により認識され、そのシグナルがCARD9とよばれるアダプター分子を介して伝達されることで、創傷治癒促進に働くことが明らかとなっている。したがって本年度は、熱傷モデルの検討と並行し、熱傷治癒過程におけるC型レクチン受容体やCARD9の機能解析も実施した。その結果、CARD9遺伝子欠損マウスにおける熱傷後のサイトカイン産生が、野生型マウスと比較して有意に変化があり、熱傷治癒過程におけるC型レクチン受容体の何らかの関与の可能性が考えられ、ナノ型乳酸菌投与による熱傷治癒への影響も期待された。
次年度は上記モデルを用い、ナノ型乳酸菌局所投与による熱傷治癒への影響について解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

温度条件の検討と、壊死組織除去法の確立により、局所投与が可能な熱傷モデルが確立された。また、肉眼創閉鎖率など、解析のアウトカムも確定した。確立した熱傷モデルを用いて、2024年よりナノ型乳酸菌投与実験を予定している。

今後の研究の推進方策

熱傷マウスモデルの創部局所へナノ型乳酸菌およびvehicleを投与し、肉眼創閉鎖率、病理組織学的解析、創部白血球分画等、計画した項目の解析を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] マウス熱傷モデルの作成、および治癒過程におけるCARD9遺伝子欠損の影響2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤佑樹、今井利郎、丹野寛大、菅野恵美
    • 学会等名
      第21回コ・メディカル形態機能学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] マウス熱傷治癒過程におけるDectin-1およびCARD9依存的免疫応答の解析2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤佑樹、今井利郎、丹野寛大、菅野恵美
    • 学会等名
      第53回日本創傷治癒学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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