研究課題/領域番号 |
23K19860
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石田 京子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (30982011)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 原発不明がん / 希少がん / がん患者の体験 / 不確かさ / Burden / 診断期からの緩和ケア / 早期からの家族ケア / 介入プログラム / 患者支援 / 家族支援 / 早期からの緩和ケア |
研究開始時の研究の概要 |
原発不明がんは希少がんの位置づけにあるが全がんの3-5%と決して少なくなく、診断期の難渋・長期化が特徴にある。また、Orphan Diseaseであり、基礎研究は不足し、患者・家族の体験や心理社会面に関する研究も乏しい。研究代表者は、本邦の原発不明がん患者の初期治療までの5局面と心理的負担(Burden)を明らかにした後、遺族対象の全国調査にて、原発不明がんの診断期に関するBurdenが、三大がん(肺、大腸、胃)の遺族より強く、かつ、終末期の患者のQOL低下および遺族のうつ傾向の関連を明らかにした。本研究は、原発不明がん患者およびその家族への支援プログラムの開発と実施可能性の検証を目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、原発不明がん患者と家族を対象に、診断期から抱えるBurden(負担/苦悩)の軽減を図るための支援プログラムと支援評価方法を構築し、その有効性と実施可能性の検証を目的とする。研究計画は、「研究1:原発不明がん患者および家族の支援に関する総合的な情報収集(R5.10-R6.5)」「研究2:原発不明がん患者と家族の支援プログラムと支援評価票の開発(R6.6-R6.12)」「研究3:原発不明がん患者と家族の支援プログラムの実施可能性の検証(R7.1-R7.3)」の3ステップである。 2023年度は、研究1の原発不明がん患者および家族の支援に関する総合的な情報収集のため、文献検討を進め、介入プログラムの素案を作成した。また、英国視察に向けて関連する臨床家(英国在住の緩和ケアのClinical Nurse Specialist :CNS)と繋がることができ、英国の原発不明がんCNSの存在を知った。英国以外の国では同等のCNS制度は確認できず、英国での原発不明がん患者や家族のCNSによるケア介入等の情報収集のための英国視察を優先課題とし。視察先の選定と調整を始めたが、年度内の確定には至らなかった。同時に、国内における各施設の原発不明がん患者と家族への支援の実際と支援の課題に関するエキスパートインタビューの準備のための研究計画立案をすすめ、全国の調査可能な施設の内諾を数件得た。今後については研究2の介入プログラムの開発について修正を検討している。理由は、2023年度時点での調査過程から、当初の全国のがん看護の専門家に対するデルファイ法の計画では、原発不明がんの臨床経験が多くない者が対象としてしまう可能性にある。そのため、作成するプログラム原案の妥当性については、研究1での国内エキスパートインタビュー対象者にエキスパートコンセンサスを得る方法への変更を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由は、研究代表者としての研究エフォートへの時間捻出を含めた計画推進のマネジメント能力の乏しさ、および、海外視察に関する施設選定と調整と視察メンバー選出の遅延である。
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今後の研究の推進方策 |
・英国視察は同行可能な希少がん診療医および緩和ケア医が選出できなかったため、研究代表者である自身のみで行うこととする。一方、英国での原発不明がん患者や家族へのCNS介入の構築、および原発不明がんに特化した財団や教育課程などの有益性の高い情報が多く得られる可能性もあり、複数回の渡英計画へ変更する。これについては、今後の国際研究への発展を視野にいれ、現地との関係性の構築も図る。 ・介入プログラムの開発に関して、当初全国のがん看護の専門家に対するデルファイ法を用いる計画であったが原発不明がんの臨床経験が多くない対象者が該当することが懸念され、研究1での国内エキスパートインタビュー対象者からのエキスパートコンセンサスを得る方法への変更を検討している。
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