研究課題/領域番号 |
23K19865
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
橋詰 淳哉 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (80977885)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 人工知能 / irAE予測モデル / 診療データ / 免疫学的指標 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬(Immune Checkpoint Inhibitor:ICI)は悪性腫瘍患者の予後を大きく改善した。しかし、60~83%の患者で免疫関連有害事象(immune-related adverse event:irAE)が発現し、治療継続が困難になる。そこで本研究は、炎症性サイトカイン、自己抗体、免疫細胞の遊走・接着に関わる分子の発現量を遺伝子レベル、タンパク質レベルで測定し、通常診療で得られる情報と合わせて機械学習技術で分析し、医療者がirAE発現の危険性を確認できる予測モデルを構築する。
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研究実績の概要 |
ICIは多数の固形がん、ホジキンリンパ腫、原発不明がんの治療で広く使われ、高い抗腫瘍効果を示す。その一方、免疫活性化の腫瘍選択性が低く自己免疫性のirAEを起こす。さらに、2~6週に1回継続投与するICI治療におけるirAEの好発時期は不明で突然発生するため、対応が後手に回り治療効果とQOL維持を損ねる症例が大きな問題となっている。これまでの関連研究から通常診療情報に基づく機械学習で構築する予測モデルは、irAEの発現予見性が低いことがわかっている。そこで、irAEが薬剤性の免疫活性化を機序とすることを考慮し、炎症性サイトカイン、自己抗体、免疫細胞の遊走・接着に関わる免疫学的パラメーターの定量的変化をモデルに組み込んだ新たな機械学習で、臨床実装に適した予測モデルを構築する。 本研究はまず、ICIを新規導入する患者を対象に、前向き観察研究を実施する。年齢、性別など通常診療により得られる情報に加えて、残渣血液検体から免疫学的指標を追加測定する。 所属施設である長崎大学病院臨床研究倫理委員会の承認を得て、症例登録を開始できる準備を整えた(承認番号:24021906)。なお、研究計画では機械学習の精度を向上する目的でより多くの症例を確保する必要があるため、がん種を限定せず臓器横断的に登録することとしている。 また、機械学習による精度の高いモデルを構築するためには、プログラミングの習熟が必要である。現在、当初予定していたランダムフォレスト法、ニューラルネットワーク法、サポートベクターマシン、 LightBGM法、XGBoost法によるモデル構築は可能となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
がん種を限定せず、臓器横断的に実施する研究であるため、全診療科との調整に時間を要した。しかし、現在は調整が完了したため、ICIの導入患者すべてを対象とした症例登録が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
がん種を限定せず症例を登録できる体制が整ったため、今年度は十分な症例数を登録できる見込みである。目標症例数となる検体が確保できれば、速やかに免疫学的指標を測定する。測定には、一度に多くの分子を測定できるLuminexマルチプレックスアッセイを用い、効率的に進める。
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