研究実績の概要 |
測定物への汚染の少ない材料を使用した器具及び消耗品の購入を行った。サンプルの加熱分解装置は予算減額のため購入を保留した。サンプル測定が困難な場合は購入を検討する。 2023年10月に測定機器である誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)のガス配管故障が発覚し、2023年12月まで修理が行われた。2024年2月に、業者によるICP-MSのメンテナンスや校正が行われ測定可能となった。またその際にメーカーより機器操作のトレーニングを受け、測定メソッド構築方法を習得した。 2024年2月より、引用した測定方法のメソッド作成を行った。既存の標準物質を用いて予定している一部の元素(Li, Na, Mg, Al, K, Ca, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, As, Se, Rb, Sr, Ag Cd, Cs, Ba, Hg, Tl, Pb, U)の検量線を作成したところ、内部標準を加えなくても良好な検出感度(すべての物質で5μg/Lを検出)と検量線の直線性(r<0.999)および測定の精度(3回測定で変動係数5%未満)を確認した。本研究で使用する測定方法は、現在の使用可能な資源で実行可能と考えられる。 K、Ca、Naなどは血液サンプル中に大量に存在しているので、その他の微量元素とは検出範囲が大きく異なっている。本研究では、引用論文を複数集めて微量元素を網羅的に分析する為、サンプル抽出や希釈をどのように行うか今後の課題である。血清中の微量元素の測定方法は日々進化しているので、目的により近い論文を研究と並行してレビューして適宜引用することとする。
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