研究課題/領域番号 |
23K19950
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
崎本 史生 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 特任研究員 (30983100)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 社会的フレイル / 脳容積 / 認知機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、社会的フレイルと脳機能の関連性や神経基盤の解明をテーマに行う。社会的フレイルとは、社会活動や参加が低下している状態であり、多様な機能低下や障害を生じるリスクが指摘されている。また、社会的フレイルが認知症のリスクであることが報告されているものの、認知機能低下を評価する脳画像指標の一つである脳容積への影響やその神経基盤は明らかにされていない。そこで本研究では、社会的フレイルを有する地域在住高齢者を縦断的に調査し、社会的フレイルが脳容積に及ぼす影響や関連性を明らかにするとともに、これらの危険因子や保護因子を明示し、社会的フレイルが有する認知症のリスク低減の一助となることを目的とした。
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研究実績の概要 |
本研究は、地域在住高齢者が有する社会的フレイルが及ぼす影響を脳容積などのバイオマーカー、認知機能検査や生活状況から神経基盤の解明をテーマに行っている。本研究により、社会的フレイルを有する高齢者の脳容積変化の特性や、脳容積低下に対する保護因子、危険因子を解明することで、神経基盤の解明だけでなく、今後の予防医学としても重要な位置付けを担うことが考えられる。 2023年度は、社会的フレイルに係わる情報収集のため関連学会に参加した。また社会的フレイルに関連する文献レビューおよび地域在住高齢者に対する実測調査を開始している。さらに、既存のデータから横断研究のデータセットの構築を進め解析を進めている。その結果、対象者1220名のうち社会的フレイルの有症率は、社会的フレイル138名(11.3%)、社会的プレフレイル372名(30.5%)、ロバスト708名(58.0%)、データ欠損が2名であることが確認できた。本邦の有病率は11.1~16.2%と報告されており、本データセットにおいても本邦を反映した対象者といえる。また実測調査は約6割が終了し、現時点における参加率は8年前の約42%が参加しており、想定より参加率が高い推移で調査が行えている。関連する成果については、国際誌への論文を投稿中であり、6月に開催される第66回日本老年医学会学術集会で発表を予定している。しかし、当初の予定より脳容積の解析に時間を要しており、2024年度は脳容積の解析を進めるとともに、縦断研究のデータセット構築後は速やかに解析を行い、社会的フレイルとの関連性を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、対象者995名から順次リクルートならびに実測調査を実施ししており、2024年の10月頃に調査終了の見通しを立てている(現在までに約200名の調査が完了)。現在は、本研究課題である社会的フレイルが及ぼす脳容積の影響ならびに関連因子のデータセット構築を並行して実施しており、概ね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、継続して社会的フレイルを有する高齢者の調査を実施し、社会的フレイルが及ぼす脳容積や関連因子に関する影響について縦断解析を行う。さらに、分析結果をまとめ、国際学会の発表を積極的に行いながら多くの研究者とディスカッションの機会をもちながら研究の推進を図る。
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