研究課題/領域番号 |
23K19952
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1001:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 大成 筑波大学, システム情報系, 助教 (50975612)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 情報セキュリティ / 暗号 / ブロックチェーン / E-Cash / CBDC |
研究開始時の研究の概要 |
中央銀行が発行するデジタル通貨において,マネーロンダリング等の犯罪対策のために監査機能が必要となる.先行研究では,悪意あるユーザは,高額であっても時間をかけて少しずつ送金を行えば,監査を回避することが可能である.
そこで,「復号が確率的に制御可能な暗号スキーム」の提案を行い,高額の送金を高い確率で監査対象とすることを可能にする.本研究で提案する暗号スキームは,機密性を保ちつつ一定の条件下で情報を公開できる性質をもつため,様々な分野のデータ共有手法等への応用が見込まれる.
新しい暗号スキームの提案となるため,定義等の構成を優先し,安全性の根拠となる仮定の強弱については,議論を次の課題とする.
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研究成果の概要 |
本研究では,復号が事前に定められた確率でのみ可能な,新しい暗号スキームの開発を行ってきた.具体的には,Verifiable Secret Sharing, Commited Oblivious Transfer等の既存の暗号技術を発展させ,暗号を作成する側が不正を行うことができないよう,復号者側にて暗号文が適切に作成されたか検証を行う仕組みを考案した.研究成果としては,国内シンポジウムに参加し,暗号スキームを"Oblivious Encryption"と命名し発表を行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,復号を確率的に制御可能な,新しいタイプの暗号スキームの開発を行ってきた.従来,暗号では適切な鍵を持つ参加者は確率1で復号を行うことが可能である.本研究は,事前に合意された確率でのみ復号を可能とする.本提案手法を利用することで,強いプライバシーが求められる電子マネーにおいて,マネーロンダリング等の犯罪を,確率的に操作可能にすることや,新たなデータ共有基盤の構築を可能とする.
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