研究課題/領域番号 |
23K19989
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1002:人間情報学、応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
堀田 克哉 岩手大学, 理工学部, 助教 (60981058)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 異常検知 / 部分空間学習 / 深層学習 / 教師なし学習 / 機械学習 / 部分空間クラスタリング |
研究開始時の研究の概要 |
製造業における外観検査において,AIによる異常検知は製品の品質管理の保証および人件費削減という観点から必要不可欠な技術である.しかし,近年の生産形態は「少品種・大量生産」から「多品種・少量生産」へと変化しているため,多品種の異常パターンを網羅的に収集することは容易でない.さらに,同一生産ラインに複数品種の製品が流れる「混流生産」への対応は,生産コストを削減するために無視できない課題である.本研究では,各品種において少量の良品サンプルが形成する特徴空間を同時に捉えることができるマルチ部分空間学習法を構築することで,少量の良品サンプルのみを用いた多品種異常検知モデルの実現を図る.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,少量の良品サンプルのみを用いた多品種異常検知モデルの実現である. 目的の達成のため,1) 少量の良品サンプルから製品に含まれる異常部位を顕在化する学習モデルの構築,2) 各品種の正常サンプルが形成する特徴空間の同時学習法の構築を行う計画である. 令和5年度までに,申請者が確立してきた部分空間表現に基づいた特徴量学習を深層特徴量に適用することで,少量の良品サンプルで正常パターンを捉えることが可能な学習モデルを構築した.これにより,事前に異常サンプルを必要としない少量の良品サンプルのみを用いた異常検知モデルの構築を実現した.本モデルの有効性は,産業用工業製品の外観画像を集めた複数のベンチマークにおいて異常検知精度を評価することで示した.これにより,研究目的1)については,おおむね達成することができた.また,本モデル開発の過程で得られたマルチ部分空間学習法や異常検知手法は,国内外の学会にて発表を行った. 研究目的2)については,本年度開発したマルチ部分空間学習法を活用することで,品種ごとに整合性を保った複数特徴空間の学習法の開発に取り組んでいる.具体的には,令和5年度に開発したモデルをマルチ部分空間に展開することで異種混合モデルの構築を行っている.また,実環境を踏まえて,上述した異常検知モデルの軽量化にも取り組んだ.これにより,生産ライン速度に合わせた高速な異常検知を実現する目途が立っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は,事前に異常サンプルを必要としない少量の良品サンプルのみを用いた異常検知モデルの構築を行った.本モデルは,複数のベンチマークによる評価実験においても良好な精度を得ることができた.また,本モデルの重要な要素である部分空間学習法と異常検知法に関して多くの成果を挙げることができており,進捗は順調であるといえる.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に開発した異常検知モデルをマルチ部分空間に展開することで異種混合モデルを開発することに引き続き取り組む予定である.また,実応用を踏まえた研究を行うためにも,検査装置環境の構築を行う.研究成果は,令和5年度に引き続き国内外での学科発表および学術論文誌に投稿する.
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