研究課題/領域番号 |
23K20012
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1002:人間情報学、応用情報学およびその関連分野
|
研究機関 | 修文大学短期大学部 |
研究代表者 |
増尾 明 修文大学短期大学部, 修文大学短期大学部, 講師 (40985074)
|
研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | BCI / 脳機能計測 / 近赤外分光法 / NIRS / 機械学習 / 神経難病 / メンタルタスク / Brain-Computer Interface / 神経・筋疾患 / 作業療法 |
研究開始時の研究の概要 |
神経・筋疾患の意思疎通手段の喪失に対するリハビリテーション療法は未確立であり、喫緊の社会課題である。私たちは、生体信号を活用して機器を制御する脳インタフェース技術に着目し、脳血流情報による脳状態の判別における音楽想起課題の有用性や、脳血流情報から神経・筋疾患患者の脳状態を判別するモデルを構築した。本研究では、想起課題によって生じる時間的・空間的な脳血流情報の変化に着眼し、脳血流解析により取得した高次元情報を融合して高精度の判別モデルを構築する。さらに、構築モデルを応用して、想起課題の遂行に基づいて機器を制御し、神経・筋疾患患者の意思疎通を実現する脳インタフェースの開発へと発展させたい。
|
研究実績の概要 |
神経・筋疾患の意思疎通手段の喪失は深刻な医療課題である。本研究では,想起課題遂行時に生じる時間的・空間的な脳の生理信号変化に着眼し,脳血流解析により取得した脳の高次元情報を活用した脳状態判別モデルの構築を目的としている.そこで,健常者や有疾患者を対象に脳血流計測実験を実施し,抽出した脳情報を用いた脳状態判別モデルを構築し,脳機能を用いて外部機器の制御を実現するBrain-computer interfaceに応用可能な生理信号から脳状態を推測する技術開発を目指す. 今年度は,脳血流計測実験の遂行および取得した脳血流データの解析処理、およびモデル構築に取り組んだ.デュシェンヌ型筋ジストロフィー,筋萎縮性側索硬化症といった重度の運動機能障害を有する神経疾患患者6名から取得した脳血流データのデータエンジニアリング手法について検討した.研究参加者間で取得可能な脳血流の領域データおよびチャンネル数に差異があるため,個人の脳状態判別に適した個人特化型モデルの構築をすすめた.また,モデルの判別性能の高精度のため,想起課題に特異的な脳領域・時間領域特徴の抽出手法の基礎的な技術開発に取り組んだ.抽出した脳血流情報を基に学習した弱学習器を統合するアンサンブル学習手法を検討した. 今後,解析対象とするデータを拡張すべく,脳血流計測実験の継続,想起課題の種類の検討,特徴抽出手法に改良を加え,脳血流から高次元情報を抽出することで高精度の判別モデル構築へつなげる.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点において脳血流情報の取得,判別モデルの学習は順調に進めることができている.脳状態の判別性能については向上の余地があり,データ拡張およびモデル構築技術について今後検討する必要がある.
|
今後の研究の推進方策 |
今後の課題として,新たな実験参加協力者を募るとともに,複数回の脳血流計測実験を追加実施することでデータ拡張を進める.また,高精度で脳状態を判別するモデルを構築するために,想起課題の種類の追加,脳血流のもつ時間・空間情報の効果的な特徴抽出手法,アンサンブル学習手法について検討していく.
|