研究課題/領域番号 |
23K20022
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徐 新雨 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (40980058)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 生態系機能 / 土壌微生物多様性 / 氷河後退域 / 北極圏 |
研究開始時の研究の概要 |
人為起因の急激な温暖化に伴って北極圏では急激な生態系応答がみられる。氷床は過去に類を見ない速度で融解し、氷河後退域は大きく露出 し裸地化している。氷河後退後に新たに生物が加入し、生態系のシステムが成立していく過程についての理解はまだまだ乏しい。そこで本研究では、高緯度北極圏の氷河後退以降、経過年代の異なる場所を対象に調査を行い、生態系多機能性の発達過程における植物および土壌の細菌・真菌の多様性の貢献を明らかにする予定である。その結果、 長い時間スケールで生態系の多機能性を駆動する植物-微生物制御の理解が進み、北極圏の気候変動が生態系に及ぼす影響を予測する能力が向上することが期待される。
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研究実績の概要 |
(1) 生態系多機能性を判断するためのパラメータを測定した。 氷河後退後のクロノシークエンスにおける生態系多機能性の変動を推定するために、各サイトの岩石、堆積物、コケ、地衣類、維管束植物の被度を野外で調査し、植物および土壌サンプルを採取した。また、植物の地上部のバイオマスを測定し、土壌全炭素や窒素含有量、可能態窒素の濃度を測定した。これらのパラメータは、生態系における炭素と窒素の循環プロセス、植物や微生物、その他の生物に供給される栄養素の量、生態系の潜在的な回復力と抵抗力を示すことができる。 (2) 次世代シーケンシングのために土壌DNAを抽出し、PCRプログラムをテストして決めた。 野外で分子分析用の土壌サンプルを採取した。その後、次世代シーケンシングにより土壌中の細菌群集と真菌群集の構成を明らかにするため、土壌DNAを抽出を行った。さらに、シークエンシングをより正確かつ効率的に行うため、PCRの各ステップの条件をテストし、プログラムを更新した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた通りに研究用のサンプルを採取し、生態系の機能性を計算するのに必要な化学分析も完了した。さらに、今後本格的に行うシーケンシングの準備も完了している。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 氷河後退後の生態系多機能性を算出し、一次遷移に伴うその変動を推定する。 (2) ハイスループット配列決定による細菌および真菌の群集組成の同定する。 (3) 氷河後退後の一次遷移における微生物(細菌・真菌)の多様性と生態系多機能性の関係を解析する。
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