研究課題/領域番号 |
23K20039
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際先導研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安達 千波矢 九州大学, 工学研究院, 教授 (30283245)
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研究分担者 |
金 有洙 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (50373296)
恩田 健 九州大学, 理学研究院, 教授 (60272712)
畠山 琢次 京都大学, 理学研究科, 教授 (90432319)
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研究期間 (年度) |
2023-11-17 – 2030-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
682,370千円 (直接経費: 524,900千円、間接経費: 157,470千円)
2029年度: 108,290千円 (直接経費: 83,300千円、間接経費: 24,990千円)
2028年度: 108,290千円 (直接経費: 83,300千円、間接経費: 24,990千円)
2027年度: 108,290千円 (直接経費: 83,300千円、間接経費: 24,990千円)
2026年度: 108,290千円 (直接経費: 83,300千円、間接経費: 24,990千円)
2025年度: 108,290千円 (直接経費: 83,300千円、間接経費: 24,990千円)
2024年度: 104,000千円 (直接経費: 80,000千円、間接経費: 24,000千円)
2023年度: 36,920千円 (直接経費: 28,400千円、間接経費: 8,520千円)
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キーワード | 量子分子エレクトロニクス / OLED / 有機半導体レーザー / 先進有機デバイス / 有機量子物性 / 有機CT / 有機発光デバイス / 材料化学 |
研究開始時の研究の概要 |
本国際先導研究では、有機化学研究者と量子物性研究者を融合し、有機CTの科学技術の深化と次世代量子分子エレクトロニクスの創成を進める。第一の目標は、CT現象を基軸に新しい発光分子の創製と発光デバイスへの応用、有機センシングデバイス等への展開を進める。同時に、基礎的な視点から超高速分光、1分子計測技術等による分子の本質的な光電子物性の解明を進める。第二の目標として、封止技術によらず、本質的に水・酸素等と親和性の高い材料・デバイスの構築を進め、自然エネルギー・環境エネルギーで動作するデバイスや自己修復・回復の実現等により、メンテナンスフリーで長期間動作する低環境負荷のデバイスの実現を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、有機化学研究者と物性研究者を融合し、有機CTの科学技術の深化と次世代量子分子エレクトロニクスの創成を目的としている。本提案の第一の着目点は、CT現象を基軸に、新しい発光分子の創製と発光デバイスへの応用、有機センシングデバイス、メモリー、熱電素子、超伝導等への展開、また、基礎的な視点から超高速分光、1分子計測技術等による分子の本質的な光電子物性の解明である。第二の着目点は、ウェラブルデバイスや生体内への埋め込みなど、様々な環境下における有機デバイス(アンビエントエレクトロニクス)技術の本質的な確立である。有機デバイスは、現在、水・酸素等の影響を完全に排除した厳密な環境が必須であるが、今後、その適用範囲を広げるためには、封止技術によらず、本質的に水・酸素等との親和性の高い材料・デバイスの構築が必須である。これが実現できれば、自然エネルギー・環境エネルギーで動作するデバイスや自己修復・回復の実現等により、メンテナンスフリーで長期間動作する低環境負荷のデバイス実現への可能性が広がる。初年度においては、これらの研究目的を推進するための体制づくりを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
組織化に関して、初年度は、ポスドク(助教)の雇用や大学院生の海外派遣実施に係わる問題点を整理した。また、主要な海外連携先であるSt Andrews大学、CNRS(Sorbonne大学)、Queensland大学)との共同研究実施体制の構築、共同研究契約のひな形づくりを進めた。ポスドク雇用に関しては未だ十分な人員を確保できておらず、令和6年度にもおいても継続して雇用を進めて行く。研究面に関しては、九大(安達研、恩田研)、京大(畠山研)、理研(Kim研)の4研究室で実質的な共同研究を開始した。安達研の若手研究者が中心となり、畠山研で開発したマルチレゾナンス(MR)型TADF分子の1分子における電子状態解析を理研においてSTM技術を用いて進めた。本研究により、MR-TADF分子の詳細な電子状態の理解が進み、次世代のTADF分子の設計指針を得ることができた(ACS Nano投稿中)。さらに、先進MR-TADF分子を用いたOLEDのデバイス化を進めた。電流励起から励起子失活過程までを詳細に解析することで最適なデバイス構造を形成し、これまで報告されているOLEDデバイスの中ではトップクラスの耐久特性を実現した(Nature Comm. (in press))。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、国際共同研究プロジェクトの核となるポスドク(助教)レベルの人員の雇用、コアとなる海外連携先(St Andrews大学、CNRS(Sorbonne大学)、Queensland大学)との共同研究実施体制の構築、大学院生の短期・中期の海外派遣のトライアルを実施し、プロジェクトを推進する上での問題点(共同研究契約、派遣方法、予算執行、アウトリーチ)を整理し、実施体制を構築する。共同研究内容に関しても、各研究機関で十分な議論を行い、量子分子エレクトロニクス分野の方向性を確立させる。さらに、若手研究者の短・長期滞在(出張)プログラムを推進し、プログラムを軌道に載せる。また、準コア大学(モントリオール理工大、蘇州大、トロント大)との研究交流の拡大を検討する。
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