研究課題/領域番号 |
23K20041
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際先導研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 佳 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10593684)
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研究分担者 |
福原 崇介 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70598739)
松野 啓太 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 准教授 (40753306)
齊藤 暁 宮崎大学, 農学部, 准教授 (30621792)
木村 香菜子 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (40726204)
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研究期間 (年度) |
2023-11-17 – 2030-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
689,000千円 (直接経費: 530,000千円、間接経費: 159,000千円)
2029年度: 104,650千円 (直接経費: 80,500千円、間接経費: 24,150千円)
2028年度: 104,650千円 (直接経費: 80,500千円、間接経費: 24,150千円)
2027年度: 104,650千円 (直接経費: 80,500千円、間接経費: 24,150千円)
2026年度: 104,650千円 (直接経費: 80,500千円、間接経費: 24,150千円)
2025年度: 104,650千円 (直接経費: 80,500千円、間接経費: 24,150千円)
2024年度: 104,650千円 (直接経費: 80,500千円、間接経費: 24,150千円)
2023年度: 61,100千円 (直接経費: 47,000千円、間接経費: 14,100千円)
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キーワード | ウイルス / 学際融合 / システムウイルス学 / 若手育成 |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルスのふるまいについて、マクロスケールな流行動態を規定する因子を捕捉し、研究室内におけるメゾスケールな挙動として理解し、ミクロケールな構造生物学の見地から解明する。多階層で学際的なウイルス研究を有機的に展開する。新たなパンデミックリスクに備えた、学際的、国際的、持続的なウイルス学研究を展開するための、将来性と世界的なインパクトに満ちた研究課題である。医学・獣医学ウイルス学領域における若手育成を目指し、「ウイルス学若手ネットワーク」と連携することで、本課題が推進する学際的なウイルス研究に参画する若手ウイルス学者の啓蒙を進め、世界で活躍できる若手研究者の育成を図る。
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研究実績の概要 |
本年度は、2023年夏に出現したXBB系統と系統的に大きく異なるBA.2.86株のウイルス学的性状を明らかにした(Tamura et al., Cell Host Microbe, 2023)。
SARS-CoV-2を含む上記のコロナウイルスはサルベコウイルスに属するコロナウイルスである。しかし、人の脅威たり得るコロナウイルスは他にも多く存在しており、現在は中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)を含むメルベコウイルスにも着目した研究を遂行している。MERS-CoVの感染受容体としてDPP4が知られているが、他グループによる最近の先行研究から、ACE2を受容体とするMESR-CoVに近縁なコウモリ由来のウイルスが同定されている。これらの知見は、MERS-CoVに近縁なウイルスの間で組換えが起きた結果であると考えられているが、その詳細は不明であった。我々は、系統学的な解析手法や遺伝子の相同性解析などを駆使し、MERS-CoVに関連するウイルスにおいて、組換えによって受容体利用が変化した可能性を示した(Tolentino et al., Virol. J., 2024)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、2023年夏に出現したXBB系統と系統的に大きく異なるBA.2.86株のウイルス学的性状を明らかにした(Tamura et al., Cell Host Microbe, 2023)。
SARS-CoV-2を含む上記のコロナウイルスはサルベコウイルスに属するコロナウイルスである。しかし、人の脅威たり得るコロナウイルスは他にも多く存在しており、現在は中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)を含むメルベコウイルスにも着目した研究を遂行している。MERS-CoVの感染受容体としてDPP4が知られているが、他グループによる最近の先行研究から、ACE2を受容体とするMESR-CoVに近縁なコウモリ由来のウイルスが同定されている。これらの知見は、MERS-CoVに近縁なウイルスの間で組換えが起きた結果であると考えられているが、その詳細は不明であった。我々は、系統学的な解析手法や遺伝子の相同性解析などを駆使し、MERS-CoVに関連するウイルスにおいて、組換えによって受容体利用が変化した可能性を示した(Tolentino et al., Virol. J., 2024)。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究の延長として、初年度として順調に研究成果を挙げることができた。これまでに実績のある連携体制をベースにした研究課題であるので、これからも国内での共同研究を円滑に進めることには問題はない。 来年度以降については、国際共同研究、および、若手研究者の育成に向けた活動をいくつか計画している。それらを活用することで、より密接かつ有機的な研究を展開していく。
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