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オートファジーを介したシェーグレン症候群発症機序の解明と革新的治療薬開発への展開

研究課題

研究課題/領域番号 23K20055
補助金の研究課題番号 18H02971 (2018-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2018-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分57020:病態系口腔科学関連
研究機関日本大学 (2020-2024)
徳島大学 (2018-2019)

研究代表者

山本 安希子 (山田安希子 / 山田 安希子)  日本大学, 歯学部, 助教 (70452646)

研究分担者 山本 武範  国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子医薬部, 室長 (80457324)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2018年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
キーワード自己免疫疾患 / マイトファジー / IL-1a / 細胞内局在 / シェーグレン症候群 / ミトコンドリア / オートファジー
研究開始時の研究の概要

シェーグレン症候群(SS)は主に涙腺・唾液腺を標的とする自己免疫疾患であるが、発症機序の詳細は不明である。申請者はミトコンドリアを介したオートファジーであるマイトファジー関連因子の発現が、SSモデルマウスで上昇していることを示唆する結果を得ている。また、IL-1aがSSの病態に関連することが報告されていることから、本研究ではIL-1aを介したマイトファジーの誘導が、SSの病態に与える影響を明らかにすることを目指した解析を行う。

研究実績の概要

シェーグレン症候群は主に涙腺・唾液腺を標的とする自己免疫疾患であるが、多くの研究が行われてきたにもかかわらず、その発症機序の詳細は未だ不明である。その理由の1つに、シェーグレン症候群の発症には多様な因子が複雑に絡んでいることが挙げられる。一方、オートファジーは近年様々な疾患との関連が報告されているが、シェーグレン症候群との明確な関連性は未だ明らかにされていない。
これまでに、われわれはミトコンドリアを介したオートファジーであるマイトファジー関連因子の発現が、シェーグレン症候群モデルマウスにおいて上昇していることを示唆する結果を得ている。一方で、IL-1aがシェーグレン症候群に関連していることを示す報告が散見されること、さらにIL-1aとマイトファジーとの関連を示す報告もなされていることから、シェーグレン症候群におけるIL-1aを介したマイトファジーの誘導機構や病態に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、IL-1aの機能解析に着手した。
IL-1aは壊死した細胞から細胞外に放出され、危機的状況であることを周囲の細胞に知らせるアラーミンとして機能する。最近になって細胞内においても様々な機能を担っていることが報告されるようになったが、その詳細は不明である。申請者はIL-1aを介したマイトファジーの誘導とシェーグレン症候群の病態との関連を明らかにするため、まず、IL-1aの細胞内局在がどのように制御されているのかを明らかにすることを試みた。その結果、IL-1aの核への移行メカニズムの一端を明らかにするとともに、IL-1aの核輸送関連因子がユニークな機能を有していることを示唆する結果が得られた(Sci Rep. 2024)。このIL-1aの核輸送関連因子の特異的な機能がシェーグレン症候群の病態に及ぼす影響を明らかにするため、当該因子について詳細な機能解析の実施に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度より徳島大学より日本大学に異動した。当初はシェーグレン症候群モデルマウスやそれらの解析機器が設置されている徳島大学に出向して解析を行うことを計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大により徳島大学への入構制限を受け、実施が不可能であった。そのため、現所属講座においても実施可能な実験系を構築し、新たなアプローチにより、オートファジーを介したシェーグレン症候群発症機序の解明に繋がる研究を遂行してきた。具体的には、IL-1aがシェーグレン症候群の発症に関与していること、また、IL-1aはミトコンドリアを介したオートファジーであるマイトファジーの誘導に関連することが報告されていることをうけ、IL-1aの細胞内における機能に焦点をあてた研究を行った。2023年度はこれまで行ってきたIL-1aの細胞内局在の制御に関する成果についてとりまとめて発表した(Sci Rep. 2024 Jan 15;14(1):1322. doi: 10.1038/s41598-024-51521-w.)。さらに、このIL-1aの細胞内局在制御機構の解析から明らかにされたIL-1a核輸送関連因子について、詳細な機能解析に着手した。

今後の研究の推進方策

IL-1aは壊死に陥った細胞から放出され、周囲に危機的状況であることを知らせるアラーミン分子として働くことが知られているが、一方で、細胞内においても重要な働きを担っていることが報告されている。しかしながら、IL-1aの細胞内における機能の全貌は明らかにされていない。ミトコンドリアを介したオートファジーであるマイトファジーに、IL-1aが関わっていることが報告されていることから、申請者らは細胞内におけるIL-1aの機能とシェーグレン症候群の発症および病態との関連に着目し、まずIL-1aの細胞内局在の制御機構の解明に着手した。その結果、IL-1aの核移行を制御するメカニズムの一端を明らかにし、報告した(Sci Rep. 2024 Jan 15;14(1):1322. doi: 10.1038/s41598-024-51521-w)。また、同時に本論文中で解明したIL-1aの核輸送関連因子について、非常に興味深い性質を有していることが明らかになった。今後は引き続き、シェーグレン症候群におけるIL-1aを介したマイトファジー誘導機序の解明および病態への関与を解析するとともに、申請者が明らかにしたIL-1a核輸送関連因子がシェーグレン症候群の発症や病態に及ぼす影響についても解析を進めていく予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Analysis of the effects of importin α1 on the nuclear translocation of IL-1α in HeLa cells.2024

    • 著者名/発表者名
      Yamada A, Wake K, Imaoka S, Motoyoshi M, Yamamoto T, Asano M.
    • 雑誌名

      scientific reports

      巻: 14(1) 号: 1 ページ: 1322-1322

    • DOI

      10.1038/s41598-024-51521-w

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Sclerosing odontogenic carcinoma with local recurrence and lymph node metastasis2023

    • 著者名/発表者名
      Fukui R, Yamamoto A, Tsunoda M, Matsumoto K, Namaki S, Asano M.
    • 雑誌名

      Pathology

      巻: 55(6) 号: 6 ページ: 897-900

    • DOI

      10.1016/j.pathol.2023.01.011

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulatory mechanisms of mitochondrial calcium uptake by the calcium uniporter complex2023

    • 著者名/発表者名
      Akiko Yamada, Akira Watanabe, Takenori Yamamoto
    • 雑誌名

      Biophysics and Physicobiology

      巻: 20 号: 1 ページ: n/a

    • DOI

      10.2142/biophysico.bppb-v20.0004

    • ISSN
      2189-4779
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Quantitative analysis of mitochondrial calcium uniporter (MCU) and essential MCU regulator (EMRE) in mitochondria from mouse tissues and HeLa cells2022

    • 著者名/発表者名
      Akira Watanabe, Kousuke Maeda, Atsushi Nara, Mei Hashida, Mizune Ozono, Ayaka Nakao, Akiko Yamada, Yasuo Shinohara and Takenori Yamamoto
    • 雑誌名

      FEBS Open Bio

      巻: 12 号: 4 ページ: 811-826

    • DOI

      10.1002/2211-5463.13371

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The molecular mechanisms of mitochondrial calcium ion channel, calcium uniporter2021

    • 著者名/発表者名
      Takenori Yamamoto, Akiko (Yamada) Yamamoto, Yasuo Shinohara, Akira Watanabe
    • 雑誌名

      Seibutsubutsuri

      巻: in press

    • NAID

      130008045192

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Importin α1を介したIL-1αの核輸送機構の解明2024

    • 著者名/発表者名
      山本安希子、今岡沙耶、浅野正岳
    • 学会等名
      第113回日本病理学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Importinファミリーを介したIL-1αの核輸送機構の解析2023

    • 著者名/発表者名
      山本安希子、今岡沙耶、浅野正岳
    • 学会等名
      第34回 日本臨床口腔病理学会 総会・学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] カリオフェリンを介した IL-1a の核移行メカニズムの解明2022

    • 著者名/発表者名
      山本安希子,和氣清尊,角田麻里子,福井 怜,浅野正岳
    • 学会等名
      第64回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] IL-1aの核内輸送における分子制御機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      和氣清尊,山本安希子,今岡紗耶,角田麻里子,浅野正岳
    • 学会等名
      第111回日本病理学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 非アルコール性脂肪肝炎モデルマウスにおけるミトコンドリアの機能解析2021

    • 著者名/発表者名
      山本安希子、奈良篤、石丸直澄、山本武範、浅野正岳
    • 学会等名
      第110回日本病理学会総会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2018-04-23   更新日: 2024-12-25  

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