研究課題/領域番号 |
23K20058
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補助金の研究課題番号 |
19H03095 (2019, 2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2019, 2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
久保 雄広 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主任研究員 (80761064)
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研究分担者 |
庄子 康 北海道大学, 農学研究院, 教授 (60399988)
柘植 隆宏 上智大学, 地球環境学研究科, 教授 (70363778)
豆野 皓太 東北大学, 農学研究科, 助教 (90908518)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2027年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2026年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2024年度: 4,584千円 (直接経費: 3,526千円、間接経費: 1,057千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 環境保全型農業 / 環境価値評価 / 公共財 / 行動変容 / 生物多様性 / 生物多様性経済学 / 環境経済学 / 保全マーケティング / RCT / 選択型実験 / 市場調査 / フィールド実験 / 生物多様性保全 / 情報提供 / 農産物市場 / 生態系サービス / 保全メカニズム / ナッジ / マーケティング / PES / 環境評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、【課題1】現在の市場に生物多様性の付加価値がどの程度存在しているのか、農産物の市場を分析することで明らかにする。続いて、【課題2】潜在的にどのような生物多様性保全が農産物に付加価値を生み出す可能性があるのか、環境評価手法(選択型実験)を用いて明らかにするとともに、既存の市場とのギャップを解明する。最後に、【課題3】どのような情報提供が生物多様性保全に配慮した「環境配慮型」農産物の購入を消費者に促すのか、ラボおよびフィールドでの経済実験により消費者行動の解明に取り組む。これらの知見を通じて、食料生産と生物多様性保全の両立に向けた施策・政策を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、農産物市場における生物多様性保全の付加価値を定量的に明らかにするとともに、「環境配慮型」農産物の販売を促進するためにはどのような情報提供が有効であるか、実際の消費者行動から解明することである。 【研究1】市場分析:全国の道の駅等に付随する産地直売所やJA等、日本の小売店で販売されるお米の販売データを分析し、野生生物に配慮して生産されたことを示すラベル(Wildlife-friendly farming label: WFFラベル)がお米の価格に与える影響、つまり価格プレミアムを明らかにした。分析の結果、WFFラベルは、お米の価格を上昇させており、WFFラベル表示のある米は、表示されていないお米と比較して、約20%の価格プレミアムを有していることが示された。 【研究2】環境価値評価:環境評価手法の 1 つである選択型実験を適用し、既存の農産物市場では顕示されていない生物多様性保全の付加価値を評価する。これまでに現地調査およびオンライン調査で収集したデータについて、それぞれ複数の統計モデルを適用した分析を実施した。 前者の分析では、消費者の平均的な支払意思額は鳥類を用いたラベルが両生類や魚類を用いたラベルよりも高かった一方、それらの選好には消費者間で多様であることを示した。 また後者の分析では、認証の内容、つまり、ラベルに表示される種(魚類や鳥類)や認証方法(生物多様性への配慮をどのように認証するか)によって、生物多様性に配慮したお米の付加価値が異なることが示した。例えば、魚類を提示した認証ラベルでは農法を認証する方法が付加価値を高める一方で、鳥類を提示した認証ラベルでは保全成果を認証する方法が付加価値を高めることを示した。 【研究3】経済実験:「環境配慮型」農産物の販売促進に資するフィールド実験の実施に向け、小売店や農家等、お米の販売等に関する人々と意見交換を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
市場分析および環境価値評価について、複数の論文を出版するなど、一定の成果を出すことができている。
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今後の研究の推進方策 |
市場分析や環境価値評価の知見を踏まえ、経済実験(フィールド実験)の準備を進める予定である。一方、新型コロナ感染症の影響により、消費者行動や市場形態には少なからず変化が生じたため、追加的な現地調査も行うことで、より綿密に研究をデザインする。
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