研究課題/領域番号 |
23K20068
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補助金の研究課題番号 |
20H01209 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 金沢大学 (2024) 金沢美術工芸大学 (2020-2023) |
研究代表者 |
水野 さや 金沢大学, 人文学系, 教授 (10384695)
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研究分担者 |
宮崎 晶子 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (80613504)
朴 亨國 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (00350249)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 元 / 東南アジア / アンコール / 宗教美術 / モンゴル / 仏塔信仰 / 遼 / 金 / ポスト・アンコール / 石塔 / アンコール朝 / 高麗 / 浮彫尊像 / 仏教図像 / バガン / 仏塔 / 護法神 / ラーンナー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、モンゴル(元)に接することにより、東南アジア大陸部諸王朝にどのような反応が生じたのかまたは生じなかったのか、宗教美術の分野からその様相を捉えることが目的である。ただし本研究は、これまでの遼・金・高麗の仏教美術に関する研究を土台としており、東南アジアの宗教美術を東南アジアの文脈からのみで語ろうとするものではなく、元の(その基盤となっている遼・金・高麗の)宗教美術を踏まえた上で東南アジアを眺めるならば、その理解に何か特異な視座を提供することができないか、元というフィルター(このフィルターの素材・組織としての遼・金・高麗)を通して見えてくるものはないのか、その可能性の提示を目指している。
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研究実績の概要 |
本年度も国外調査実施には至らず、主に(1)国内での関連調査と(2)研究会に切り替えた。 (1)昨年度からの継続として、いわゆる「薩摩塔」の補足調査を行った。薩摩塔基壇部(須弥壇部)の尊像について構成と図像の分析を行い、先行研究における「特定の経軌に依拠するものではない」という見解の再確認と共に、以下について指摘し得た。薩摩塔は、手本となる作例が中国系工人により作られた可能性があるが(中国で作られたのか日本国内で彼らが制作したのかについては未だ判断を保留するが、後者の可能性を検討している)、中国系工人(石塔・石燈などの建造物以外の、単独の仏教尊像の造立経験を有する、その図像的見識を有する)が関わった薩摩塔が、その地域の一つの「古典」と認識される。それを模すという意識で、同形の塔が比較的近隣に制作される。この過程において、石造物ならではの図像的特徴の簡略化と誤認が生じる。仏教尊像を専門に制作する工人ではない石工が担当し、しかも細部の彫刻が難しい比較的小型の塔であったための技術上の工夫であったと判断される。こうした省略・簡略のシステムは、朝鮮半島および遼東地域の石塔の浮彫尊像においても認められるものである。 (2)アンコール王朝の宗教美術、元代の都城制と広域交流、遼・金の都城と寺院址を専門とする国内研究者3名を招聘し、関係者のみの研究集会として3月下旬に開催した。本研究集会において、あらためて、今日、元代史への視座に従来以上の広範かつ柔軟な視点が想定されていること、モンゴル(元)というフィルターを設定することによって、東南アジア史研究領域における地域研究先行型の現状に、別種の観点を提供し得る可能性を確認した。一例として、アンコール朝13世紀後半の触地印如来坐像と上座部仏教受容の問題に対し、この時期、東アジアで再び着目されていた三劫三千仏思想を背景とする考察の可能性を提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
相手国の事情により、海外における実地調査に制限があり、調査先機関との打ち合わせが頓挫したことが主な要因である。
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今後の研究の推進方策 |
主に次の方策をとる。(1)海外における実地調査の円滑な実施に向けて、関係各所にあらためて協力を依頼する。(2)研究分担者1名、研究協力者2名を新たに向かえて研究体制を再構成する。(3)研究集会を定期的に開催し、これまでの研究成果の見直しかつ取りまとめ(明文化)および公開する。
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