研究課題/領域番号 |
23K20077
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補助金の研究課題番号 |
20H01230 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
田草川 みずき 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (10367097)
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研究分担者 |
和田 修 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (20240541)
大楽 和正 國學院大學, 文学部, 准教授 (20526959)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 古浄瑠璃 / 佐渡 / 人形浄瑠璃 / 民俗芸能 / 近松門左衛門 / 人形芝居 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、佐渡古浄瑠璃人形芝居についての研究基盤を確立すべく、これまでの研究成果を総括および可視化するとともに、音声・映像を含めた関連資料を保存・公開するという総合的研究により、その伝承を確実なものとすることを目的としている。 現地にてカセットテープやVHSビデオで記録されている音源・映像をデジタル化し、これらの情報に、現地伝承者や研究者が簡単にアクセスできるよう、関係者の許諾を得て、WEB上での公開を目指す。これにより、佐渡古浄瑠璃人形芝居研究の進展をも期したい。
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研究実績の概要 |
2022年度は、コロナ禍がやや落ち着いてきたこともあり、佐渡島への4日間の出張調査を2回実施できた。1回目は、佐渡文化財団主催の佐渡人形芝居保存会定期公演に、研究代表者の田草川と分担者の和田が参加し、記録等を行った。その前後には、実演者のインタビュー、保存されている浄瑠璃本の調査・撮影を実施している。 続く2回目の調査によって、佐渡真明座所蔵の浄瑠璃本52冊の調査・撮影を終えることができた。さらに、佐渡文化財団の協力を得て、佐渡人形芝居保存会の公演が記録されたVHS・EDB等の古いテープのデジタル化に着手した。2022年度中に、3分の1ほどのデジタル化を行っている。 こうした新たな調査に加えて、これまでの研究・調査結果について、研究代表者の田草川が分析を行い、第59回藝能史研究會大会(2022年6月12日)で、「佐渡古浄瑠璃人形芝居の研究と現在」との学会発表を行った。本研究課題の中間発表として、佐渡古浄瑠璃人形芝居の語り本・上演作品・音声資料・映像資料・歴史資料などの一覧化を目指して作成中の各種データを紹介、データ作成過程で確認された事項や問題点について報告するとともに、資料の所蔵等に関して情報の提供を呼び掛けた。 こうした一連の研究・調査によって、佐渡古浄瑠璃人形芝居の、ここ半世紀ほどの動向が明らかになりつつある。その成果は今後の伝承に重要な意味を持つものであり、その具体的な活用方法について、2023年度以降に検討を行い、順次実施していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により、島しょ部である佐渡島への渡航、高齢の伝承者との接触が憚られる状況が続き、進捗はやや遅れていた。しかし2022年度は感染状況がやや好転し、事前にPCR検査を受ける等の工夫をした上で、現地での調査を実施することができた。これまでの基礎調査の発表も実施し、研究の進捗状況は大幅に改善した。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査によって撮影した浄瑠璃本の内容を精査し、これまで作成してきた「佐渡古浄瑠璃語り本目録」データベースに情報を追加する。また、3分の1をデジタル化した佐渡人形芝居保存会の公演映像に関しても、内訳を確認し、「佐渡古浄瑠璃録音資料目録」データベースに加えたい。残り3分の2のデジタル化も、2023年度中に終えて、順次内容確認を行う。 これらのデータは、現地での伝承に活かすべく、その方法を模索中である。例えば、人形芝居公演会の前後に、伝承が途絶えがちな稀曲の記録を選んで、解説付きの上映会を実施する、等の企画を考えている。また、早稲田大学演劇博物館、新潟県立歴史博物館等の博物館に録画データの複製を収め、一般の閲覧に供することができるよう、著作権・肖像権等にも留意しつつ、検討を進めたい。 既知のデータに新たな情報が多く加わることになるため、その分析と成果発表についても、引き続き実施していく予定である。
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