研究課題/領域番号 |
23K20081
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補助金の研究課題番号 |
20H01234 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
宮本 圭造 法政大学, 能楽研究所, 教授 (70360253)
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研究分担者 |
佐々木 孝浩 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 教授 (20225874)
石川 透 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (30211725)
柳沢 昌紀 中京大学, 文学部, 教授 (60267896)
海野 圭介 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80346155)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 大名道具 / 道具帳 / 能楽 / 和歌 / 物語 / 歌書 / 奈良絵本 / 大名家 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、諸大名家の道具帳の全国的な悉皆調査と網羅的収集、およびその記載情報を入力したデータベースを作成することを目的とするものである。さらに、近代の「御蔵品売立目録」との照合、現存の古典籍との紐付により、古典籍の伝来経緯を明確にすることをも視野に入れている。また、大名家にとって古典籍がどのような意味を持っていたのか、歴代藩主の文芸的営みの中でどのように蔵書が形成されてきたか、といった問題についても、道具帳・蔵書目録の分析を通じて新たな見通しを提示することを目指している。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き、道具帳の資料収集と売立目録のデータ入力を行った。本年度に撮影・収集した道具帳は、小浜藩酒井家・米沢藩上杉家・伊予松山藩久松松平家・八戸藩南部家その他の諸藩の道具帳で、売立目録については、現存する膨大な売立目録から旧大名家の売立目録を全て抽出してデータ入力作業を進めた。また、旧大名家の道具のうち、尾張徳川家伝来の能面の調査・撮影を行った。 特に注目されるのが、八戸藩南部家の蔵書目録で、『御書物帳』『御家流御書籍目録』『御書籍目録』『御不用諸品并書籍払帳』など、数種類の冊子から成るが、このうち『御家流御書籍目録』には甲州流軍学関係書物が多数収められており、同家蔵書の特色を示している。同目録を調査した八戸市立図書館では、南部家旧蔵の能伝書・能番組などの能楽関係資料も撮影した。このほか、尾張徳川家伝来の能面からは、従来知られていなかった「山次(花押)」の墨書の存在が赤外線調査によって明らかになるなど、新たな発見もあった。米沢藩上杉家の道具帳は、すでに書籍関係の目録がゆまに書房より影印が刊行されているが、今回の調査では能道具に関する目録を主に収集し、加えて上杉家の重宝に関する記録である『国宝考』の調査も行った。 一方、小浜藩酒井家・伊予松山藩久松松平家の蔵書目録については、江戸後期以降のものと思われる目録を確認し、撮影を行ったが、そこに収録されている資料は点数も少なく、同家の蔵書の全体を示すものではないと思われる。この二藩に見られるごとく、資料の残存状況により、大名家の蔵書の全容を把握するのが困難なケースも少なくないが、今後はさらに幅広く関連資料を採録して、資料収集に努めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初夏頃に代表者・分担者による研究会を予定していたが、代表者の手術入院と体調不良により、実施できなかったほか、計画していた大名家道具帳の閲覧許可が下りないなどの予定変更が重なったため、進捗状況にはやや遅れが見られる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度にあたるため、まだ調査が完了していない諸藩の道具帳の調査を秋頃までに完了させる。前年度に実施できなかった研究会については、7月頃の開催を計画している。データ整理・入力については、今年度末ぎりぎりまでかかる見込みだが、計画的に作業を進めていく。
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