研究課題/領域番号 |
23K20087
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補助金の研究課題番号 |
20H01251 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
立石 謙次 東海大学, 文化社会学部, 准教授 (50553426)
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研究分担者 |
吉田 章人 新潟大学, 教育基盤機構, 准教授 (80794495)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 雲南 / 白族 / 白文 / 大本曲 / 漢字系文字 / 中国 / 雲南省 / 中国雲南省 |
研究開始時の研究の概要 |
中国雲南省大理地方を中心に住む白族(ペー族)(人口約180万:2010)は、独自の白語(ペー語)を話す。白族とその先祖は基本的には漢文を用い、独自の「文字」を持たなかった。ただし一部の地域や職能者の間では漢字を利用し、白語を書き表す「白文」という表記法を用いてきた。白族以外の中国少数民族にも漢字を利用し自民族語を表記する例はある。その中でも白文は文献史料や碑文により歴史的な形成過程がある程度考察可能であり「漢字系文字」の形成問題を解明するためにも重要である。本研究は白族の民間芸能である「大本曲」の曲本(台本)を例にとり、その使用語彙の分析と比較を行なう。
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研究実績の概要 |
本研究では大理盆地南部に伝承される大本曲曲本の分析と収集比較を目標に掲げる。また調査時に得られる大本曲の上演も撮影・記録し公開することを目的としている。2021年度について、研究代表者(立石謙次)及び研究分担者(吉田章人)は以下の研究業績を発表した。①立石謙次2021年9月「唐・武周時期雲南における漢文化受容の一考察-「大周故河東州刺史之碑」の分析と試訳」『東海大学紀要 文化社会学部』第6号75‐91頁 ②吉田章人、立石謙次2022年3月「 大理白族の大本曲『斬龍頭』研究序説」『環日本海研究年報』27号34-55頁 ①について白族の漢文化受容の問題を歴史的な角度から明らかにするために、唐・周代に雲南地方で立てられた石碑の内容を分析したものである。②について研究分担者が中心となり白文資料である大本曲『斬竜頭』冒頭部分の内容分析と翻訳を行った。本業績を完成させるにあたって今年度は2021年5月1日、6月5日、9月16日、2022年2月9日に遠隔で会議を行った。当初予定していた現地調査は調査地の状況を鑑みて実施しなかった。そのほか研究代表者が2010年より現地調査中に採録した映像資料を編集したうえでオンラインでの公開を2021年8月より開始した。これら映像資料に関しては、すでに欧米の研究機関(民族音楽・伝統芸能関連)や研究者および一般の個人からも多く問い合わせや反応があり、本研究で対象とする大理白族の民間芸能について広く紹介できていると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度には現地調査が実行できなかったものの、メール・SNS上にて、現地研究協力者と連携をとりながら、研究態勢を維持することができた。2022年度の目標として『〓(金+則)美案』の分析・翻訳を進め、出版を準備している。 現在、研究分担者との遠隔による研究会を通して、白文資料である大本曲『斬竜頭』及び『〓(金+則)美案』の翻訳作業を進めている。『〓(金+則)美案』については全体の翻訳作業はほぼ完了しており、2022年度中に語彙集をつけて出版を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
【現在までの進捗状況】で述べたように、大本曲『〓(金+則)美案』を2022年度中に語彙集をつけて出版を予定している。このため2022年度も月1回程度の頻度で、研究分担者とともに編集会議をおこなう。 調査地域のウイルス感染状況を鑑みて、可能であれば調査と現地での編集会議を実施する。難しい場合はこれまで通りメール・SNS・ビデオ会議システムを利用しながら現地協力者との研究体制維持に努める。 また今後も継続して現地調査時に採録した画像・音声・映像資料も随時公開していく。
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