研究課題/領域番号 |
23K20092
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補助金の研究課題番号 |
20H01259 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
新田 哲夫 金沢大学, その他部局等, 名誉教授 (90172725)
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研究分担者 |
松森 晶子 日本女子大学, 文学部, 教授 (20239130)
青井 隼人 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 助教 (00807240)
小嶋 賀代子 (下地賀代子) 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (40586517)
吉田 健二 日本女子大学, 文学部, 研究員 (10279820)
CELIK KENAN 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 特任助教 (70825596)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 宮古諸方言アクセント / 三型アクセント / 八重山諸島アクセント / 上げ核 / 宮古諸方言のアクセント / 琉球語 / 南琉球のアクセント / 宮古島方言 / 多良間方言 / 池間方言 / 南琉球アクセント / 宮古アクセント / 宮古島諸方言 / 水納島方言 / アクセント / 南琉球 / 宮古語 / N型アクセント |
研究開始時の研究の概要 |
今年度はこれまで本研究で発見された宮古諸方言の「三型アクセント体系」の記述を、音響分析も交えた手法によって深化させるとともに、宮古諸島アクセントと強い関連性を持つ八重山諸方言にも「三型アクセント体系」が発見されたため、八重山諸島まで研究範囲を拡げ、アクセントの記述研究を進めていく。また、「三型アクセント体系」を複数のパラメータを設けることで3型の出現パタンを整理し、「上昇」などの弁別性を踏まえた分析によって、各方言アクセントの系統的近縁性を推定していく。さらに、各方言の記述作業に伴って収集した音声データをもとに、語彙・アクセント他のデータベースを構築してデータを蓄積し、公開していく。
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研究実績の概要 |
2020年度は新型コロナウイルスパンデミックの発生の年に当たり、外出そのものが制限され、フィールドワークの実施は難しかったため、メンバーの多くは既存の辞書類や書籍、過去に調査を実施した資料の分析を研究室にて実施した。また電話等によるインタビューや録音した音声を送付してもらう方法で言語調査を実施した。セリック・ケナンと青井は多良間方言の調査を実施し、動詞の進行融合形の韻律構造を明らかにした。またセリックは皆愛方言が三型アクセント体系を有すること明らかにした。 2021年度も新型コロナウイルスの蔓延が継続し、感染への懸念から調査機会の多くが奪われたが、松森は多良間島および宮古島与那覇・上地方言において過去に収集したデータを統合・整理し、琉球語の韻律体系の歴史的変遷についての考察を行い、論文を公にした。セリックは宮古語水納島方言を中心に調査を実施し、大量の語(6000語)についてそのアクセント型の所属を調べ、その成果を語彙集の形で出版した。新田は多良間方言の電話調査を実施し、イントネーションと韻律語の関係についてオンライン研究会で発表した。また池間方言について既存データを検討し「上げ核」をもつ体系であることを明らかにした。 2022年度、セリックは宮古語の姉妹言語である八重山語のいくつかの方言について韻律体系に関する調査を実施、二型アクセント体系を持つ大浜方言のアクセント資料を公表した。さらに、青井と共同で三型アクセント体系を持つ波照間方言について3000語以上のアクセント型の所属を公表した。松森は琉球諸方言の通時的研究に継続して従事し、その成果を3件の発表で公にした。新田は多良間方言の「アクセント低核」に関するこれまでの見解をまとめて論文で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度、2021年度、2022年度後半は新型コロナウイルス感染症の危険性が懸念され、南琉球の現地調査によるデータ収集が厳しい状況であったが、一部遠隔によるインタビューによるデータの収集、既存のデータを研究室内で分析する方法により、関連論文11本、研究発表(オンライン)13本、著作1本の成果を発表できた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年5月8日に新型コロナウイルス感染症の区分が5類に変更になったことにより、現地調査が実施しやすくなった。また対面による各種研究会も再開の見通しで、発表の機会も増えることが予想される。未実施の調査研究について、共同調査等を実施し成果発表を行い、研究をさらに進展・深化させる。
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