研究課題/領域番号 |
23K20102
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補助金の研究課題番号 |
20H01296 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
赤松 信彦 同志社大学, 文学部, 教授 (30281736)
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研究分担者 |
マクガイア マイケルポール 同志社大学, 文学部, 准教授 (30876462)
折田 充 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (60270386)
長 加奈子 福岡大学, 人文学部, 教授 (70369833)
星野 由子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (80548735)
綱井 勇吾 同志社大学, 研究開発推進機構, 研究員 (20772487)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 外国語学習 / 文法知識の獲得 / 時制と相 / 認知言語学 / 母語の影響 / 英文法学習 / 概念基盤学習アプローチ / 教材デザイン / 時制 / 相 / 概念基盤学習 / 英語時制と相 |
研究開始時の研究の概要 |
外国語学習者にとって習得が困難であると考えられてきた文法において、概念基盤学習(言語を通して表出される概念を正しく理解し産出することに主眼をおいた学習アプローチ)の有効性が近年注目を集めている。本研究は概念基盤学習の理論的枠組みである認知言語学と社会心理学を複眼的に捉え、日本人英語学習者にとって最も効果的な概念基盤学習プログラムを探究する。具体的には、日本語と英語の表現形式のズレが学習困難を誘発すると考えられる英語の時制と相を研究対象とし、中学校・高校・大学における横断的研究を実施し、教育環境、学習内容、教材デザイン、学習形態の4つの観点から概念基盤学習の有効性について総合的に考察する。
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研究実績の概要 |
2021年度は2020年度の研究結果を踏まえ、研究対象の英語表現(時制と相)に関する受容能力評価テストを開発した。具体的には、英文に加え、時制(過去・現在)と相(完了相・進行相)を視覚的に描写したイラストや時間軸など、発話される状況をより具体的に描写する概念図を加えるなどの改良を加えた新たなテストを開発した。開発したテストはコンピュータ画面上に示された英語表現(例、現在完了形)の解釈の妥当性を4段階で判断する課題であった。 改良されたテストの妥当性及び信頼性を評価するため、データ収集を行った。研究参加者(日本人大学生と英語母語話者(米在住)各251人)のうち、概念図を適切に理解した者(80%以上の正確性を基準:日本人181人、英語母語話者185人)を対象に分析した結果、英語母語話者と日本人英語学習者では、読み受容判断に差があることが明らかになった。具体的には、読み方が大きく異なるというわけではないが、英語母語話者の方が日本人学習者よりも典型外の読みを受容していた。特に、完了・経験読みで英語母語話者と日本人英語学習者との差異が大きかった。また、典型的に「習慣」を誘発する繰り返しを示唆する副詞(e.g., every day, since 2017)を伴う文について、母語話者の方が典型外の文を受容していたのに対し、日本人学習者は「副詞」によって「読み」を選んでいる可能性が示された。これらの結果から、英語母語話者のような、現在完了形に対する、より柔軟な解釈には、現在時制と完了相について根源的な概念理解の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた、研究対象の英語表現(時制と相)に関する産出能力を評価するためのテスト開発については、新型コロナウイルス感染症の影響のため、実施することが出来なかった。また、同様の理由から、研究参加者のデータ収集は対面で行うことができず、オンラインによるデータ収集方法の活用など柔軟に対応した。データ収集方法の変更に伴い、大きく研究計画を変更する必要があり、その結果、当初計画していた調査を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響のため実施出来なかった項目を実施する。具体的には、日本人にとって理解が難しいとされる英語の時制と相の使用に関する実態調査を行う。 まず、2021年度開発したテスト項目(研究対象の英語表現に関する習得度を調査するために開発した課題項目(英文に対する解釈を5段階で評価する形式))をさらに改良するため、研究対象の英語表現(時制と相)に関して、英語母語話者(アメリカ人100名・イギリス人100名)を対象に調査、そのテスト項目の信頼度の向上を目指す。英語母語話者に対する調査はネット上でのデータ収集を予定している。2022年度後半は、上記の調査結果に基づき、英語表現(時制と相)に関する産出能力評価テストを開発する。テストはクローズテストとし、解答理由と解答に対する自信度の記述を求める形式を予定している。 テスト開発のためのデータ収集を2022年4月-8月に行い、データ分析を9月に実施する予定である。英語時制・相に関する産出能力を評価するためのテスト開発については、2022年10月-2022年-3月に実施する予定である。
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