研究課題/領域番号 |
23K20114
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補助金の研究課題番号 |
20H01343 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
青山 和夫 茨城大学, 人文社会科学野, 教授 (70292464)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 比較文明論 / マヤ文明 / 政治経済組織 / アグアダ・フェニックス遺跡 / 石器 / 遠距離交換 / モニュメント建築 / 黒曜石 / 文明の起源 / 戦争 / 農耕定住 / 比較考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の国内外のマヤ文明研究では主にマヤ文明発展期の先古典期後半(前700~後200年)と古典期(後200~1000年)に焦点が当てられてきたため、マヤ文明黎明期の先古典期前期(前1200~前1000年)・先古典期中期前半(前1000~前700年)の詳細については良くわかっていない。本研究は、メキシコのアグアダ・フェニックス遺跡の神殿ピラミッド跡、支配層住居跡、農民住居跡や各建造物跡の周囲に広範な発掘区を設定して層位的発掘調査を実施し、石器、土器、その他の全出土遺物及び神殿ピラミッドのようなモニュメント建築の出現と変容の詳細な分析を通して、マヤ文明の起源と黎明期の政治経済組織を実証的に解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、マヤ文明黎明期に建造されたアグアダ フェニックス遺跡の神殿ピラミッド跡、住居跡や各建造物跡の周囲を対象に広範な発掘区を設定して層位的に全面発掘調査を行い、石器、土器、その他の全出土遺物及び神殿ピラミッドのようなモニュメント建築の出現と変容の詳細な分析を通して、まだ十分に解明されていないマヤ文明の起源と黎明期の政治経済組織の詳細を実証的に明らかにすることである。アグアダ フェニックス遺跡は、メキシコのタバスコ州のウスマシンタ川中流域に立地し、マヤ文明最古(前1100年頃)かつ最大(長さ1400m)の公共祭祀建築の巨大基壇が見つかっている。2023年度は2024年2~3月に発掘調査と遺物分析を行った。青山が担当する石器分析では、これまでに38,141点の石器を分析した。その内訳は、37,860点の打製石器(黒曜石製758点とチャート製37,102点)と281点の磨製石器である。黒曜石製石器に関しては、蛍光X線分析によって大部分がグアテマラ高地から搬入されたことが明らかになった。先古典期中期前半(前1000~前700年)には、グアテマラ高地エル・チャヤル産黒曜石が主流であった。アグアダ・フェニックス遺跡には、エル・チャヤル産黒曜石製石刃核が搬入され、押圧石刃が製作された。これはグアテマラのセイバル遺跡と共に、マヤ低地で最古の押圧石刃の製作の証拠である。先古典期中期後半(前700~前350年)のパホナル遺跡には、グアテマラ高地サン・マルティン・ヒロテペケ産黒曜石が最も多かったが、メキシコ高地産黒曜石も搬入された。パホナル遺跡は、グアテマラ高地産黒曜石とメキシコ高地産黒曜石の遠距離交換網の境界線の近くに立地したと考えられる。青山和夫監修『カラー版 マヤと古代メキシコ文明のすべて』を宝島社新書として、青山和夫編著『古代アメリカ文明:マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像』を講談社現代新書として刊行して、成果の一部を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、2024年2~3月にメキシコで現地調査を実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究調査のデータを分析して、成果をまとめていく。
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