研究課題/領域番号 |
23K20122
|
補助金の研究課題番号 |
20H01365 (2020-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
|
研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
丹羽 崇史 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (40455564)
|
研究分担者 |
長柄 毅一 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 教授 (60443420)
村田 泰輔 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 主任研究員 (00741109)
森 貴教 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30775309)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 土製鋳型 / 砥石 / 侯馬鋳銅遺跡 / 冶金史学 / 冶金関連遺物 / 実験 / 民具 / 羽口 / 炉壁 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近年、中国で進展の著しい、人類の冶金の歴史を考古学・文化財科学双方から検討を行う「冶金史学」の方法論、および鋳型・砥石・羽口といった冶金関連遺物の日本の考古学・文化財科学の方法論を共有し、日中双方の研究蓄積共有にもとづく「東アジア冶金史学」の構築を目指す。 ①写真・調書作成・実測等の考古学的調査、②鋳型の材質・構造等に関する文化財科学的調査(CT、三次元計測、XRF等)、③土製鋳型製作・鋳造の対照実験、④現代の鋳型製作・鋳造技術の民俗調査、⑤日本国内の土素材の調査、⑥関連資料の調査を実施する。 考古学・文化財科学・実験的手法の総合的実践により、中国を中心とした冶金技術の実態解明を目指す
|
研究実績の概要 |
本研究は、近年、中国で進展の著しい、人類の冶金の歴史を考古学・文化財科学双方から検討をおこなう「冶金史学」の方法論、および鋳型・砥石・羽口といった冶金関連遺物の日本の考古学・文化財科学の方法論を共有し、日中双方の研究蓄積共有にもとづく「東アジア冶金史学」の構築を目指すものである。2022年度も新型コロナウィルス感染症の影響を受け、中国渡航がかなわなかったため、日本国内で進めることが可能な以下のような調査・研究を進めた。 ①日本の機関が所蔵する鋳型・砥石・羽口・炉壁といった冶金関連遺物の調査。本年度は奈良文化財研究所・春日市教育委員会・九州国立博物館・東京国立博物館などで資料調査をおこなった。②高岡市立博物館より所蔵の土製型を借用し、Ⅹ線CTなどを用いた文化財科学調査を行った。また、泉屋博古館にて関連資料の調査を行った。さらに高岡市内の鋳造工房を訪問し、職人への聞き取りなど予備調査を行った。③これまでの科研費で進めてきた鋳造実験製作試料のⅩ線CTやXRFなどによる文化財科学的調査。④過去に調査をおこなった侯馬鋳銅遺跡を中心とした冶金関連遺物の調査資料の再整理。⑤学生アルバイトを雇用し、日本・中国における冶金関連資料の既発表資料の収集。 成果の一部は、アジア鋳造技術史学会福岡大会やBUMA Ⅹ(第10回冶金史学国際会議)などで発表をおこなったほか、「成像技術與商周青銅器製作技術的研究」(『開物:科技與文化』1)、「日本古代の土製鋳型についての基礎的検討」『奈良文化財研究所紀要2022』などの論文として公表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度も新型コロナウィルス感染症の影響を受け、中国渡航がかなわなかったため、①日本の機関が所蔵する鋳型・砥石・羽口・炉壁といった冶金関連遺物の調査、②高岡市立博物館所蔵資料を中心とした現代の鋳型・原型など民具資料の調査、③これまでの科研費で進めてきた鋳造実験製作試料のⅩ線CTやXRFなどによる文化財科学的調査、④過去に調査をおこなった侯馬鋳銅遺跡を中心とした冶金関連遺物の調査資料の再整理、⑤日本・中国における冶金関連資料の既発表資料の収集などを進めた。中国現地調査がかなわない状況ではあったが、①~⑤のそれぞれにおいて、一定の成果を得ることができた。今後、学会発表・論文の形でさらなる公表を進める予定である。 また、前年度同様、中国側の共同研究者とは密に連絡を取り、調査・研究の連携を図った。現地での調査が適わない状況ではあったが、インターネットなどのツールを積極的に利用して情報共有を図る国際共同研究の方法の構築を試みた。
|
今後の研究の推進方策 |
①鋳型・砥石など冶金関連資料の考古学的調査 (1)出土鋳型の資料集成とデータベース化:中国・韓国・日本の鋳型・冶金関連遺物・青銅器とそれらの材質・構造分析に関する関連文献の集成・データベース化を進める。 (2)資料調査:現地への渡航が可能になった場合、侯馬鋳銅遺跡の出土資料を中心に、鋳型・砥石・羽口など冶金関連遺物の調査をおこなう。また、奈良文化財研究所所蔵品や他の国内機関所蔵の冶金関連遺物の調査を進める。 ②鋳型の材質・構造等に関する文化財科学的調査:これまで実験製作した鋳型や実験試料の通気度測定・材質分析、Ⅹ線CTと解析ソフトを用いた鋳型の内部構造解析の実施準備を進める。奈良文化財研究所ではⅩ線CTを用いた鋳型の内部構造解析、富山大学では鋳型の通気度測定・材質分析(XRF・SEM等)をおこない、実際の出土鋳型と対比するためのデータを蓄積する。 ③現代の鋳型・鋳造技術の民俗調査:伝統的手法によって製作を行っている鋳造工房の鋳型の素材・製作技法について調査を進める。文献資料の収集整理とともに、国内の鋳物工房の調査を実施する。 ④日本国内の土素材の調査:工業・陶芸用をはじめとした土素材のカタログを収集し、必要に応じて入手して、奈良文化財研究所・富山大学等で分析を進める。
|